Avalon Hill ビスマルクの戦い 第二戦 中級ルール

にしさんととAHビスマルクの戦い(中級ルール)をやりました。先月は基本ルールでやりましたが、その後に、天候変化チャートにミスプリがあったことが判明しました。BGGにあげてある写真で、左下の天候ボックスに書かれている修正値が、視界度1の時は+1となっていますが、私が所有しているモノではこれが-1となっていました。同様に、視界度8とXの時は、この写真では-2なのですが、私のモノでは+2となっています。これはどういうことかというと、私が持っているチャートでは、先月のプレイのように、いったん視界度が悪くなってしまうと、ダイス修正値が+2なので、2d6の値が大きくなるため、ますます視界度が悪くなる傾向となってしまいます。このため、ゲーム序盤に視界度がいったん悪くなると、その後ずっと悪天候が続き、捜索がほとんどできないままゲームが終わってしまうという展開になりました。これはおかしいと思っていたのですが、str-takeshiさんが発見してくれたこの写真から謎が解明されまして、チャートのミスプリであったことが判明しました。ということで、今回は視界度がよくなりすぎればまた悪化する傾向、悪くなりすぎたら回復しやすい傾向の天候ということで、ゲームをすることに。(^_^)

(写真はBGGより)

中級ルールでは、故障ルールと、天候オプション2(ゾーン列ごとにとても細かく天候度を規定して、西から東に前線が移動していくのをシュミレートする)、それから天候一時変化ルールは採用しませんでした。それ以外は全部採用するので、基本ゲームとの大きな違いは、駆逐艦と潜水艦が登場します。また、ドイツ軍が船団攻撃するのは、基本ルールのようにチャンステーブルでダイスを振るのではなく、実際に航空機・艦船・潜水艦により、船団を捜索・追尾して、これを攻撃することになります。そのため、標示船団という最初からボード上にいる船団3個の他に、未標示船団を捜索するというルールが加わります。また戦闘解決は非常にリアルになり、例えば航空機1機ごとに対空砲火やCAPをくぐり抜け、投雷・爆撃を行い、1発ごとに命中判定を行い、当たったら損害判定をするということになります。潜水艦が船団を攻撃する時は、昼と夜で船団の対潜力が異なるため、事実上夜に攻撃するしかないのですが、護衛艦がいるといないで対潜力は違います。その対潜力と目標速度によって発射できる魚雷の数が異なり、発射できた魚雷1本ごとに命中判定し、当たったら、それが護衛艦に命中したのか、商船に当たったのかを判定し、損害を決定します。運が悪いと、潜水艦も沈められることがあります。また航空機には戦闘機が加わります。戦闘機も捜索モードで捜索したり、攻撃隊の護衛をしたり、艦隊を守るCAPをしたりします。

今回ドイツ軍は、ティルビッツもビスマルク・プリンツオイゲンと一緒に出撃するシナリオにしました。これがドイツ軍にとっての最高のシナリオだったわけで、この2艦が艦隊を組むと、イギリス海軍は対抗しようがないのでは、と思われましたが、さて結果はどうなったでしょう・・・?

sinayamgがイギリス軍、にしさんがドイツ軍を担当します。



イギリス軍の初期配置は基本ゲームとほとんど同じですが、クライドにWS8B船団がいて、カイロ、エグゼターが護衛しています。この船団は偶数ターンにしか移動できませんで、アフリカに兵員を輸送するため、ボード南端を目指します。この船団の商船1隻をドイツ軍が撃沈すると8点、全部で5隻います。逆にこの船団の商船1隻がゲーム終了まで無事だった場合は、1隻ごとにイギリス軍に4点入ります。そのため、ドイツ軍としては2隻は沈めないと、VP的にマイナスになってしまうのでした。フッド・プリンスオブウェールズの艦隊と、イギリス本国艦隊、H部隊、WS8B、ロドネーが護衛するブリタニク号には、実は駆逐艦5隻からなる駆逐隊がいるのですが、細かくなるので画像では省略しています。あと、見えにくいですが、ベルゲン沖とプリマスに、潜水艦1ユニット(3隻)ずつがいます。

一方ドイツ軍は、ベルゲンに3隻からなる強力な艦隊がいる他、北西と南東に2ユニットずつUボートがいます。潜水艦は1ターンに1ゾーンしか移動できないため、水上艦には普通追いつけません。なので待ち伏せをするか船団攻撃をするのが基本となります。

・第4ターン(5/22 12時)、ドイツ軍は初期移動ボーナスで、燃料消費なしで3ゾーン、1使って4ゾーン、または2使って5ゾーン移動することができます。sinayamgはベルゲンから5ゾーン離れた3カ所を航空機で偵察し、フェロー・アイスランドギャップの艦隊は動かさないようにします。しかし、にしさんは、こちらの裏をかいて、2ゾーンしか移動しないでいたのでした。(^_^;


・第5ターン(5/22 16時)、視界度がよくなり、2になってしまいます。これはイギリス軍にとってはラッキーで、航空ユニットが単独で捜索できてしまいます。そこで、哨戒モードではなく通常の移動モードで、航空ユニットをばらけさせて網をかけます。しかし、にしさんはノルウェーのすぐ沖合を2ゾーン北上していたため、英軍の大捜索網はスカに終わりました。(^_^; やるな〜、にしさん。


・第6ターン(5/22 20時)、ボード北半分はまだ昼、南半分は夜です。北の視界度は3になりました。sinayamgはにしさんが初期移動で少ししか移動していなかったのではないかと疑いを持ち始めて、ノルウェー近くを捜索することにしました。そこで偵察機を哨戒モードにして、ノルウェーの方に寄せていきます。しかし、にしさんは見事にこれをすり抜け、西へ逃れていたのでした。(^_^; でも、最初のうちに視界度がよくなりすぎると、ドイツ軍は厳しいですねえ。


・第7ターン(5/23 24時)、夜になりました。英軍の長距離偵察機は滞空時間切れがせまっているため、帰還の途につきます。どうも初期哨戒網をすり抜けられたらしいと考えたsinayamgは、フェロー・アイスランドギャップかデンマーク海峡で待ち伏せする作戦に切り替えます。この時、にしさんのドイツ艦隊は、のんびりと北西に1ゾーン移動していたのでした。


・第8ターン(5/23 4時)、夜が明けます。中級ルールではこの時間帯が一番霧が出やすいことになっています。視界度は2のままで、捜索はしやすい状況ですが、夜のうちに帰還した偵察機はまだ整備中で飛べません。そこで、TF1の空母ビクトリアスから雷撃機と戦闘機を哨戒モードにして飛ばし、まぐれ当たりを狙います。また、B14にスカパフローの陸上爆撃機を飛ばして単独で捜索させます。プリマスからの爆撃機も、もしかしてイギリス東沖にまだ隠れているかもということで、I20を捜索させます。すると、幸運の女神がイギリス軍にほほえみ、まぐれ当たりでB14にドイツ艦隊を発見してしまいました。(^_^) やはり、視界度2は、ドイツ軍には厳しかったですね。


スカパフローから飛んできた陸上爆撃機は5機のみ。これは、視界度と基地からの距離によって決まります。この5機に対してビスマルクとティルビッツは対空砲火12火力で迎撃し、見事に4機を阻止、うち2機を撃墜します。残った1機は投弾しますが、1d6で1のみヒットのところ、やはりはずれます。しかし、これでドイツ艦隊の位置が判明しました。狩りの始まりです。


・第9ターン(5/23 8時)、視界度は4に悪化します。イギリス軍の爆撃機は帰還しなくてはならないため、このターンに追尾を行うことはできません。発見した場所にマーカーを置き、周囲1〜2ゾーンを捜索したいのですが、ユニットが足りません。整備が終わった長距離偵察機がいくつか飛んできますが、視界が悪く単独での捜索はできません。このターン、にしさんは艦隊を北東に2ゾーン移動させ、回避行動をとらせていたのでした。いったん見つけたドイツ艦隊は、また行方不明です。(^_^;


・第10ターン(5/23 12時)、ドイツ軍にとって不運なことに、視界度は2になってしまいました。sinayamgは、ビスマルクはとっくに西にすり抜けてしまったものと思ってシフトをひいていたのですが、念のために北も捜索しようと偵察機をA14とB16にも送ります。視界が良くて航空機単独で捜索ができてしまうため、ここでまた偶然にドイツ艦隊を発見します。すごいまぐれ当たりでした。


・第11ターン(5/23 16時)、視界度はさらに晴れて1になります。天はドイツを見放したのか・・・。今度はちゃんと偵察機が追尾に成功し、ドイツ艦隊はA13に移動します。しかしまだイギリス艦隊はそれを捕捉できません。でもTF2のフッド・プリンスオブウェールズの艦隊が隣までせまってきました。またTF1のキングジョージV世・空母ビクトリアス・軽巡4の艦隊もC14にきています。ビクトリアスの雷撃機は整備のため、攻撃はできません。


・第12ターン(5/23 20時)、視界度はいきなり5に悪化。そのためイギリス軍は追尾に失敗します。ドイツ艦隊は2ゾーン移動しましたので、どこでもいいように、イギリス軍は捜索を行います。やはり北端に追い詰めているので、捜索範囲が限られているのが大きいです。哨戒モードになった長距離偵察機がうじゃうじゃいるので、視界度5ではまだ捜索は可能です。そのため、A12で敵艦隊を再発見。しかし、まだ攻撃する戦力はありません。ドイツ軍のUボートは、船団捜索をせずに、イギリス艦隊を雷撃するため、北上しています。


・第13ターン(5/24 24時)、夜ですが視界度は3に回復しました。このターン、イギリス軍は初めて水上艦による追尾を行います。重巡サフォークだったと思いますが、夜ということもあり、追尾は失敗。しかし、捜索を強化し、またドイツ艦隊を同じ場所で発見します。どうもにしさんは、艦艇に燃料の洋上補給を行っていた模様です。


・第14ターン(5/24 4時)、視界度はさらによくなり2になりました。しかし、濃霧エリアに霧が出ていますが、英軍は追尾に成功。しかし霧のため戦闘はできません。


・第15ターン(5/24 8時)、視界度は2のままで、霧が出ます。ドイツ艦隊は燃料が少なかったのか、1ゾーンずつ移動しています。英軍はまたも追尾に成功。


・第16ターン(5/24 12時)、ついに霧が晴れました。視界度は2のまま。ドイツ艦隊はまた1ゾーンのみ移動。しかし、もっと急いで移動した方がよかったかもしれません。イギリス海軍は、ほとんど全ての艦艇をB9に集めることに成功し、しかも空母ビクトリアスからの雷撃機9機がついに同じゾーンにいるドイツ艦隊を捕らえました。



雷撃機はランダムに目標を選ぶため、CAプリンツオイゲンを攻撃することになりました。対空火力はプリンツオイゲンの6に加えて、ビスマルク・ティルビッツの2ずつを加えて10火力。対空砲火の阻止率はダイスで4割と出ました。一番高いと8割になるので、これはかなりイギリス軍有利。4機が阻止され、うち2機が撃墜されます。しかし残った5機はプリンツオイゲンに雷撃を敢行! 1d6で1のみが命中なのですが、ビクトリアスは意地を見せて、見事に2本の魚雷を命中させます。魚雷の損害判定は1d6で、5-6が出ると巡洋艦は撃沈となりますが、この時も5が出て、なんとプリンツオイゲンは空襲により沈没してしまったのでした。


この時イギリス海軍がかき集めた戦力は、BBキングジョージV世、プリンスオブウェールズ、BCフッド、CAノフォーク、CLマンチェスター、バーミンガム、ケニア、オーロラ、ハーミオン、ガラテアの大艦隊です。


水上戦闘では速度の遅い艦から順に移動します。同じ速度の場合は攻撃側が先ですので、第1ラウンドは、イギリス軍の戦艦3隻がまず移動、次にドイツの戦艦2隻、その後イギリスの巡洋艦7隻が移動という順番になりました。どの方角から攻撃側が侵入するかはランダムですが、今回はドイツ艦隊の左前方から接近する形での会敵となってしまいました。ドイツ艦隊としては、まともに打ち合うのもひとつですが、離脱を図るという選択もありました。離脱のためには、周囲6ヘクスに自分と同じかそれ以上の速度の戦艦がいなければよいのですが、戦闘開始時点では、両軍の全ての戦艦は29ノットの艦速なので、離脱宣言はできません。離脱宣言をすると、砲撃力が半減する代わりに、ラウンド最後に1ヘクスの追加移動ができます。その結果、周囲6ヘクスに敵艦がいなければ戦闘から離脱することができます。なので、何ラウンドか重ねれば、最終的に戦闘から離脱できる可能性が高くなります。しかし、そのためにはイギリスの戦艦3隻に船体損害を与え、艦速低下をおこさせなくてはなりません。ちなみに、にしさんは離脱など考えず、男らしく戦うことを選択しました。(^_^;

第1ラウンドは戦艦同士の反航戦になりました。まだ4ヘクス離れているので、Bレンジ射撃で、命中率も悪く、損害はでにくい状況です。ドイツ軍はまずフッドを狙います。史実通り、2d6で11が出てSpecial Damageが出れば、いきなりフッドを轟沈させることもあり得るのですが・・・。さすがに、お互いあまり損害を与えられません。


第2ラウンドで、CLマンチェスターとオーロラが、ティルビッツに肉薄雷撃を敢行しました。どちらの艦も雷撃力は3と低めで、隣接ヘクスからの雷撃でも4分の1の確率でしか命中しません。これはどちらも外します。軽巡の砲撃では、戦艦の装甲は抜けないため、副砲塔に少し損害を与えたのみ。一方ティルビッツの反撃で、2艦ともボコボコになり、いきなり轟沈します。ビスマルクとイギリスの戦艦3隻は殴り合って、キングジョージVに船体損害が出て、艦速低下が起こります。ビスマルクの前部砲塔も半分くらいに減少。


第3ラウンドで、今度はCLアレスーサとバーミンガムがティルピッツに隣接し、雷撃を行います。今度は見事に命中して、ティルピッツの艦速が低下。戦艦群との砲撃戦で、ビスマルクの砲塔被害もかさんできました。しかし、ドイツ軍もバーミンガムを撃沈。フッドにも損害が出始めます。


第4ラウンド、ビスマルクとティルピッツは重なっています。先ほどは雷撃できなかったケニアとガラテアが隣接し、雷撃を行います。ここで不運なことに、艦速が落ちたティルピッツに魚雷1本が命中し、さらにビスマルクにも1本が命中します。この1本が不運なことに、ビスマルクの艦速を20ノット減少させてしまいました。さらに、Aレンジ(3ヘクス以内)に近づいてきた英戦艦3隻がビスマルクに砲撃を集中させ、ついにこれを撃沈します。お返しにケニアも撃沈。


第5ラウンド、残ったティルピッツにノフォークが隣接し、雷撃します。これが2本命中し、ティルピッツも艦速が16ノットに低下。反撃でノフォークも撃沈されます。


この後は、なぶり殺しのようにティルピッツは損耗していき、撃沈されてしまいましたが、意地をしっかりと見せて、最後にBCフッドを道連れに轟沈させました。お見事。この時点で、キングジョージVは前部砲塔が半分残っているのみで、船体は4/7が破壊されていました。プリンスオブウェールズは前部砲塔が5/7、後部砲塔が4/5残り、船体も6/7残っていました。もしプリンツオイゲンが空襲で撃沈されていなければ、群がってくるイギリスの巡洋艦に対して盾となり、2隻の戦艦はもっとイギリスの戦艦3隻への攻撃を集中できたと思われ、戦いはどちらに転んだか分かりませんでした。ビクトリアスのたった9機のソードフィッシュが命運を分けたとも言えるわけで、その意味で史実に近い展開となりました。(^_^;

ここでゲーム終了。VPとしては、イギリス軍が、ビスマルク30点、ティルピッツ28点、プリンツオイゲン8点、WS8Bが5隻無事で20点、の86点。
ドイツ軍は、航空機4機撃墜の2点、CA1隻撃沈の6点、CL4隻撃沈の16点、フッド撃沈の14点、BBへの船体損害が5カ所で10点、CLの船体損害が2カ所で2点、の50点。

仮にプリンスオブウェールズとキングジョージを沈めていれば、それで32点でしたので、82点となるわけで、あとは潜水艦で船団を沈めていけば、ゲームはもつれたかもしれませんね。

お付き合いいただいたにしさん、ありがとうございました。(^_^)