走れ、走れ、走れ。それしか考えられない。
一晩中、風に向かってうつむき、限界まで体を追い込みながら、ひたすら歩み続けた。もうへとへとだ。肺は冷気で凍傷を負い、結晶化したかのように感じられる。一歩一歩が筋肉を粉々に噛み砕くようだが、速度を落とすことはできない。闇そのものとの競走だ。腐敗、足元を駆け抜ける油のような、歯と骨と毒が渦巻く死の川との競走なのだ。
クレインはなんとかついてきた。君と同じ恐怖が彼の中を駆け巡っている。彼はすでに装備の半分を投げ捨てた。不要なものはすべて、工具や小物、予備部品などを雪の中に放り投げ、貴重な金属の屑の跡を残しながら。彼は誰よりも君が直面する危険を理解しており、その顔は恐怖で引き裂かれた仮面のようだ。
フロストヘイブンに着いた時、夜はまだ深かった。クレインは息も絶え絶えに、封印が隠されている場所を教えてくれた。門がきしむように開くと、君たちは中に飛び込み、開拓地の中心部、封印が待つ場所、大楢の神殿へと全速力で駆け出した。
衛兵たちが振り返り、眉をひそめた。君がこんな様子なのは初めてだ。一人が君に追いつき、どうしたのか、何が来るのかと聞いた。君は答えた。全てだと。
サタもムーンシャードも君達に加わった。どちらも質問はしない。言葉にせずとも何が来るかを知っているのだ。骨の奥底で感じ取っているのだ。
月明かりに照らされた神殿の扉はむき出しだ。一枚一枚の扉板には楢の紋章が手彫りで刻まれ、淡く美しい。ある者にとっては日常の象徴であり、嵐の中でもすがることができる帆柱だが、迫り来るものから逃れる術はない。君は一瞬の躊躇もなく扉を蹴破った。
この場所の番人はユースティスという名のやつれた男で、毎朝街を巡回している。彼は侵入に抗議した。
「この罰当たりめ!」彼はローブを引っ張りながら吐き捨てた。「なんということを・・ここは聖なる地だ。それを何に使うつもりだ?誰が・・?」
だが誰も足を止めない。君は神殿を突き進み、奥の扉を打ち破って大楢が鎮座する中庭へ駆け込んだ。聖なる樹。ここにそれは生きている。守護の中庭に囲まれ、幹は寒さから守るため丁寧に包まれ、根元は雪を払い落とされている。まさにこの街にふさわしい象徴だ。南の同族より小さく、冷たく、曲がっているけれど、それでもなお強靭な、たった一本の木。その根は頑なに、この岩だらけの土壌に深く伸びている。
クレインは装置を取り出すと、脚を地面に突き刺し、電源を入れた。しかし、何かがおかしい。
遠くの城壁から角笛が鳴り響いた・・・敵が接近している。君は動きを止め、合図を聞き取った。二度の角笛・・東に敵だ。外では騒ぎが起き、衛兵たちが呼び声に目を覚まし鎧を身にまとっている。隊長たちが出陣の号令を叫ぶ。この人々は戦いに慣れている。君は武器を手に取り彼らに加わろうとするが、そこで足を止めた。角笛がさらに三度鳴る。西から敵だ。守護者ユースティスは困惑して首を振った。続いて四度。五度。四方八方から敵が迫っている。彼らはここに来る。
大楢の庭に立つ数少ない者たちは、立ち止まって互いの目を見交わした。クレインは木の下に立ち、細い眉を下げ、目を動かさない。ムーンシャードは斧を掲げた。サタは歯をむき出して笑みを浮かべた。君はうなずく。これが決着だ。全てをかけた戦いだ。
特殊ルール
4体のシティガードは全てガードキャプテンであり、プレイヤーの仲間である。
8個の数字トークンをa, b, c, dの位置に配置する。これは民兵を表わし、プレイヤーの味方である。彼らはHP 4、イニシアティブ51で行動し、移動3、攻撃2を実行する。各ラウンド終了時に、君はaからdの空白ヘクスに、2つまでの民兵を配置することができる。マップ上にある民兵の最大値は12個まで。
各ラウンド終了時、新たな民兵を配置する前に、aからhのタイルにいるキャラクターは最寄りのタイル間を移動することができる。
いずれかのガードキャプテンが死亡した場合、そのラウンド終了時に、死亡したマップタイルを除去し、そのタイル上にいる全キャラクターをタイル15-A上の最も近い文字付きヘクスへ移動させる。以降、そのタイルに出現するはずだったモンスターは、代わりに元のタイルから最も近い文字ヘクスに出現する。大楢のヒットポイントは24である。これはプレイヤーにとって味方であり、全てのモンスターにとって敵である。フォーカスの目的上、イニシアチブは01とする。大楢が破壊された場合、シナリオは敗北となる。
リストに従って、各ラウンド開始時にモンスターを発生させる。
ガードキャプテンは上級のシティーガードで、HP 10、移動3、攻撃4、装甲2、反撃2と、強力。彼らが10ラウンド生き残っていればいいことがありそうです。とにかく、10ラウンド終了時に次のテキストが読まれることになっています。
途中の経過は省略します。10ラウンド粘るのは大変でした。結局1体のガードキャプテンが死亡してしまいました。10ラウンド終了時に以下のテキストが読まれました。
混沌は避けようがない。デーモンの体が壁を乗り越え、ぬめった手足が互いに絡み合いながら防衛線を突破しようとする。数百もの貪欲な手が、肉と皮膚を求めて伸び、さらに伸び続ける。矢が雨のように敵の群れに降り注ぎ、そして蒸発する。敵は容赦ない。一つの壁を守っている間にも、別の壁が援軍を求めて叫んでいる。男女が叫び、側面を突破したデーモンから逃げ惑う。その間も、君はクレインと大楢を守らねばならない。
時折、狂気の中に英雄が立ち続ける姿を見かける。崩れかけた屋根の上で、サタが衛兵達に怒号を飛ばす。ムーンシャードは押し寄せる甲羅の波間を動き回り、その跡には黒い血しぶきが飛び散る。テラさえも戦いに加わった。彼女はゆっくりと動き、武器を持たないが、近づくデーモンは彼女が手首を軽く振るうだけで、見えない刃が彼らの体を真っ二つに切り裂くのだ。
それでもなお、戦いは決して終わらない。鎧は砕け、革鎧は裂け、剣は歪んだ甲羅に弾かれ、衛兵たちは自分の拳で殴るのみ。フロストヘイヴンは持てる全てを持って戦う。君たちも同様だ。この開拓地に暮らす数少ない魂たち・・・鍛え抜かれた者、迷える者、君たちは皆、恐ろしい敵の波にひるむことなく共に戦った。
あるとき、いつかははっきりしないが、間が訪れた。絶え間ないシュライクの耳障りなさえずり、耳をつんざく亡霊の叫び声が突然和らぎ、深い、根源的な恐怖が胃の底に広がった・・・冷たい恐怖が広がる。それがここにいる。
クレインを守らなければならない。
君は振り返った。神殿へ急く。走れ。もっと速く。さらに速く。倒れた丸太や傷ついた死体を飛び越える。駆け抜け、全力疾走し、扉へ突進する・・・もうすぐそこだ。だが足元の地面がうねり、大楢の神殿が浮き上がった。大地そのものが、寺院の中庭が、空高く舞い上がり、そして焚き火に投げ込まれた巨大な火薬の樽のように、大きく爆発した。レンガ、木材、石が爆発し、瓦礫が至る所に飛び散る。岩は冷たい隕石のように建物を突き破る。人間の体もデーモンも人形のように転がった。大楢の木自体も根こそぎになり、12フィート先の地面に倒れて破壊されている。
あり得ないものがその場所に立っていた。その場所に立っているものは頭蓋骨の付け根を捻じ曲げ、この世界の基本原則を覆すものだ。こんなの反則だ。深淵の黒い殻から作られた、巨大な節くれだった肢、巨大な節くれだったオベリスクが地面から飛び出した。それは開拓地全体を壊滅させるほどの大きさの蜘蛛の脚だった。
「あれはまだほんの一部だ」と弱々しい声でクレインが言った。彼は近くの瓦礫から足を引きずりながら出てきた。彼の装置は今や片足になっていて、それを支えにして歩いている。「封印は完成したが、これを止められなかった。ハービンジャーの一部が突破してきた。ヤツは封印を破壊しようとしている。」
蜘蛛の足は生きた塔のように振り下ろされ、衛兵の列をなぎ払い、彼らを棒切れのように吹き飛ばした。
悲鳴。
恐怖が沸騰し、黒いシチューのように戦いの炎をかき消した。
人々は武器を捨てて逃げだした。これは不可能な戦いだ。テラは正しかった。この力はいかなる人間の力も超えている。誰もこんなものに対抗できない。しかし、もしそれが本当なら、なぜ君はそれに向かって突進しているのだろうか?
フロストヘイヴンは特別な場所ではない。ここは開拓地であり、寒さから身を守るためにひしめき合う、いくつかの粗末な建物があるだけだ。ここは変人や迷える者、もっといい場所から拒絶された者たちの町だ。王国ではない。栄光はここにはなく、その名を歌う吟遊詩人もいない。
しかし、フロストヘイヴンは君の故郷であり、君はそこを陥落させたりはしない。絶対に。
特殊ルール
全てのキャラクターとその召喚獣、ガードキャプテンを外側タイルからタイル15-Aの最寄りヘクスに移動させる。その後、外側タイルを、その上の全てと共にマップから取り除く。
各ラウンド開始時にエリートのバロウイングブレード1体をgの位置に発生させる。
大楢の木を、"Vestige of the Imprisoned God"(拘留された神の痕跡)に置き換える。これは大楢が占めていた3ヘクスを占めており、強制移動に対して耐性を持つ。任意の距離の全てのフィギュアに対して、それは攻撃を行うことができるが、それは近接攻撃と見なす。
スペシャル1
ボスは攻撃5で、7ヘクスの範囲攻撃。
スペシャル2
ボスは1ヘクスの移動困難地形を、各キャラクターの位置に配置。それがすでに移動困難地形ならば、危険地形に置き換える。その後、装甲3、全てを標的、射程3の押し出し2。このラウンド終了時に、ボスを攻撃しなかったキャラクターは6ダメージを受ける。
ボスはHP 148、移動0、攻撃5、射程3の反撃2。錯乱、気絶、武装解除、足止め、流血に耐性。
みんなすでにボロボロ。なんとかボスのHPを50くらい削ったところで、力尽きて投了しました。(T_T)
次はもっと頑張ろう。
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