GMT Talon

茨城会で、かみさんと、GMTから出ている戦術級SF宇宙戦闘のゲームTalonを初プレイしました。このゲームは、Space Empires 4xという同社の戦略級宇宙開発ゲームの戦術戦闘部分を切り取ったものですが、23世紀に地球連邦が初めて知的生命体とファーストコンタクトし、それがそのまま戦争になってしまった未来を描いています。同社の歴史設定によると、敵の生命体はタロンとよばれ、地球人は戦争の準備ができていなかったため、当初は連戦連敗となり、ついに太陽系まで攻め込まれてしまいます。そして、地球軌道上での大海戦でからくも勝利して、タロンを退却させることができた、という流れになっているようです。今回は、ファーストコンタクトの後、辺境星域で起こった重巡2隻ずつの戦闘をやってみました。

 手前の青いカウンターがsinayamgの地球連邦軍、向こう側赤がかみさんのタロン軍です。双方ともCA(重巡)が2隻です。最初のうちは特に何も起こりませんので、ただ前進していくのみです。このゲームでは、1ラウンドが6個のセグメント(A〜F)に別れていて、船の速度が速ければ多くのセグメントで1ヘクスずつ移動できます。しかし、速度が速いと、エンジンのパワーがそちらにとられてしまうため、シールドや武器のチャージにまわすエネルギーがなくなってしまいます。また速度が速いと旋回半径が大きくなり、小回りがきかなくなってしまいます。その調節は、各ラウンド終了時にのみ行うことができるため、次のラウンドでパワーを速度にまわすのか、エネルギーにまわすのか、よく考えなくてはなりません。  
 だいぶ近づいてきました。このゲームでは、武器の射程はだいたい4ヘクス以内です。武器によって、最適なレンジが決まっています。このカウンターはかなり大きくて、ラミネートコーティングされていて、各艦の諸元を直接水性マーカーでカウンターに書くという、めずらしいシステムです。少し面倒ですが、手元のログシートに記録していちいち参照するよりも、ずっとプレイアブルだと思われます。  
 手前sinayamgの重巡は、どちらもパワーが4、速度が2、旋回半径が1となっています。あちらの重巡は、左のがパワー3、速度3、旋回半径1で、右のはパワー4、速度2、旋回半径1です。地球連邦の重巡には、反物質魚雷(Anti-matter Torpedo)が1門、フェーザー砲が2門搭載されており、タロンの重巡には、ディスラプターキャノン(分子破壊砲)2門ずつの砲塔が2基あります。反物質魚雷は、当たれば距離に関係なく4ダメージ、フェーザーは距離が近いほど威力と命中率が高まりますが、4ヘクスではどちらも命中は望めません。4隻とも、ユニットの上にDとかの文字が書かれたカウンターが置かれていますが、これはDセグメントに置かれた追加シールドを表しています。つまり、地球の重巡は2隻とも、Dセグメントに得られたパワーを前方シールドに回して追加の1シールドを展開しているという意味です。この追加シールドは6セグメント(1ラウンド)後には自然消滅しますが、1ダメージ分を吸収してくれます。  
 これが、タロン側の移動が終わった段階で、この次に地球艦隊が1ヘクス前進します。地球の左側のCA(ナポレオン)の全部シールドに黒の点が3つついていますが、これは前方から敵のCAのディスラプターキャノン4門により攻撃を受け、2発が命中し4ダメージをくらったため、追加シールドで1ダメージ吸収され、3ダメージ分が前方シールドに与えられたということを示しています。ちなみに、ディスラプターキャノンは距離3ヘクスでは、1d6で3以上でヒットし、当たれば距離に関係なく2ダメージを与えます。

次に地球艦隊の移動で、両艦とも1ヘクス前進しました。この時の写真を撮り忘れたのですが、両艦とも敵の右側の重巡に距離2ヘクスで全部の武器を斉射しました。反物質魚雷は距離2ヘクスが一番命中率が高く、2以上でヒットします。フェーザーは距離2へクスでは、1-3で1ダメージ、4-6で2ダメージ。CAナポレオンの斉射は全て命中し、いきなりの7ダメージ、タロン重巡の前方シールド7つがいきなり消滅します。それ以降の前方への被害は全て直接船体に加えられることになります。そして、右の艦、CAジューコフの斉射も全て命中、これも7ダメージとなり、タロン重巡の船体ヒットポイント7をきっちり破壊して、いきなり爆散させてしまいました。
 
 武器は一度使用すると、チャージが空になり、またパワーを使ってチャージしないと撃てません。右上の写真で、ユニットの両側に黒い点が縦に3列並んでいますが、これが武器のチャージを表しています。両側の2個の黒点はフェーザー砲、左舷にある4つの黒点は反物質魚雷を表しています。毎ラウンド最後のパワーフェイズに、速度の調節と、武器のチャージが行われます。またパワーを得られた各セグメントには、そのパワーを武器のチャージにまわすことで、再装填を少し早めることができます。地球艦隊の武装は、右写真ではほぼ空になっているのがわかります。(両艦1個だけある黒点は、パワーを使ってアクティブチャージしたものを表しています)。しかし、タロンのもう一隻の重巡の武装はフルチャージのままになっている!地球軍の左の重巡(ナポレオン)は、パワーを前方シールドに回して、再び追加シールドを張ります。  
 本当は、タロンの重巡はナポレオンの前方から攻撃したかった筈ですが、タイミングがあわず、サイドスリップして右前方に進み、すれ違います。  
 地球艦隊はパワーを使って、右のフェザーにもアクティブチャージしています。このアクティブチャージは、どれか一つの黄色ボックスをチェックすることができますが、各武装にある赤ボックスは、ラウンド終了時のパワーフェイズにしてチェックできません。ということは、武装は一度使うと、最低でも次のラウンドまで待たないと使えないわけです。  
 タロンの残ったCAジャスティスは左旋回をして、地球艦隊の左後方につけました。狙うのは右の重巡ジューコフです。距離は2ヘクス。ディスラプターキャノンにとっては最適なレンジです。  
 この斉射は4門のうち3発が命中し、ジューコフの左舷シールドは消滅、あまった1ダメージは船体に加えられました。4-2-1と書いてあるすぐ下の赤いボックス列が船体のヒットポイントを表しています。このあと、ラウンド終了となり、パワーフェイズで、各艦の各武装は、赤ボックス1つをチャージします。地球艦隊は、すでに両舷のフェーザーの黄色がチェックされていたので、これで黄色と赤のボックスが全て埋まり、射撃可能となります。  
 次のラウンドになりました。タロンの重巡は右前方にサイドスリップしています。また、3-3-1から4-2-1と、速度を落として、余分なパワーを武器のアクティブチャージに回そうとしています。  
 タロン艦は左のディスラプターキャノンにアクティブチャージ(黄色ボックス1個にチェック)しました。  
 地球艦隊はそろって右に回頭。60度曲がってから1ヘクス進むので、タロン艦との相対位置は離れていきます。両ユニットの上に見える青いカウンターは、旋回半径マーカーで、1ヘクス先まで進んだらまた回頭できますよということを数字で示しています。タロン艦は、地道に左舷ディスラプターキャノンの黄色ボックスを少しずつチャージしています。  
 タロン艦も左回頭して前進。この時までに、2回のセグメントでアクティブチャージをしているため、左舷ディスラプターキャノンが準備完了しました。地球艦隊はパワーを使って旋回半径を短くして(パワーターン)、また右に回頭します。  
 タロン艦ジャスティスの左舷ディスラプターキャノン2門がジューコフの右舷に両方命中、シールドが4ダメージを受けますが、まだ1シールド残っています。地球艦隊は、まだ反物質魚雷の赤ボックスが1つ残っているので、射撃できません。ここでラウンド終了、パワーフェイズにタロン艦は4-2-1から5-1-0と、さらに減速、1ラウンドに1回(Fセグメント)のみに移動できますが、E以外の5回のセグメントでパワーを得られるようにします。低速なので、旋回半径は0となりました。また、右舷ディスラプターキャノンに対してパッシブチャージして、黄色2マスをチェックします。地球艦隊は反物質魚雷の赤マスをチェックして、これでようやく全武装が準備完了となります。  
 次のラウンド、AとBセグメントには、どの艦も移動しません。しかしタロン艦は右舷ディスラプターキャノンの黄色2マスをアクティブチャージして、射撃準備を調えます。Cセグメントにタロンが先に行動し、これを発射、2発とも命中し、ジューコフの右舷に4ダメージ、シールドが破壊され、船体に3ダメージがいきます。ここでクリティカルヒットが起こり、船体に追加1ダメージ、ジューコフも大破してしまいました。また船体損害によりパワーの損失も生じ、4-2-1だったのが、3-2-1となってしまいます。地球艦隊は再度スリップして、いったん距離をとります。これで次のラウンドに。タロンのジャスティスは左舷ディスラプターキャノンをパッシブチャージして黄色2マスをチェック。地球艦隊はこのラウンドに攻撃できませんでした。  
 地球のCAナポレオンが右回頭して、タロン艦に前方から攻撃をかけます。反物質魚雷とフェーザー1門が命中し、タロン艦の前方シールドは6ダメージ。ここで、タロン艦は左舷ディスラプターキャノンを2回アクティブチャージして準備完了として、3ヘクス先のジューコフを右舷から攻撃します。これが見事に両方命中して、4ダメージ、右舷シールドはすでに落ちているので、船体が破壊されてジューコフは爆散してしまいました。  
 この後、タロンのジャスティスは地球のナポレオンと交差して、後ろに回り込みます。  
 タロン艦は左舷と前方のシールドがやられていますが、他は無傷。地球の艦は前方シールドが半壊しています。タロン艦は左舷と右舷のディスラプターキャノンを交互に射撃することで、発射頻度を高めています。地球艦はとりあえずパワーをフェザー砲にアクティブチャージします。  
 いったん距離をとりここでジャスティスはナポレオンの左舷に右ディスラプターキャノンを発射、2門とも命中して左シールドに4ダメージ受けます。  
 次の移動で、ナポレオンは左回頭、ジャスティスも前進。その次の移動で、ジャスティスが先に直進した後、ナポレオンは左にサイドスリップして、後ろをとります。ここで全武装を斉射、全部命中して8ダメージを与えます。ジャスティスの後部シールドはダウン、船体に5ダメージがいきます。  
 次のラウンド、右舷フェーザーにアクティブチャージしたナポレオンが再びジャスティスを攻撃、これもヒット、うまく2ダメージとなって、ついにこれを破壊しました。これで、タロン艦隊は壊滅となり、地球連邦の勝利となりました。