バトルロアづくし 本文へジャンプ

Battles of Westerosルールサマリー

 

ウェストロスの偉大な名家(ハウス)の旗(バナー)を掲げよ。七王国における権力と家系の維持のため、ウェストロスのそれぞれのハウスは全く異なる道を辿っている。ある者は戦略的同盟を結び、またある者は複雑な政治的陰謀をめぐらせ、そして偽りと裏切りを用いる者もいる。しかし、戦争で勝利することに勝る権力への道はない。ウェストロスのハウスは、どこも騎兵や徒歩の兵士からなる巨大な軍隊を率いている。これらの兵士達は、槍、剣、弓で武装しているのみならず、攻城兵器や他の戦闘用機械まで駆使することができる。ウェストロス全土に、招集を告げるドラムが鳴り響いている。頑強で勇敢な兵士達、狡猾で大胆な指揮官達を求めて。

 

君は招集に応じるか?

 

ウェストロスでの戦争

バトルロア-Battles of Westeros(BOW)は、ジョージ・RR・マーティンのベストセラー小説「A Song of Ice and Fire」に基づき、ウェストロスの領主たちの間で戦われた戦闘をシュミレートするシナリオベースのゲームである。コアゲームセットには、スターク家とラニスター家が含まれている。将来発売される拡張では、他のハウスの軍が含まれる予定である。それぞれのシナリオ(バトル)は、マップの構成(バトルフィールド)や、各ユニットの開始時位置、リソース、特殊ルール、勝利条件などを記したバトルプランに、詳細が記されている。

 BOWの戦闘は、ラウンドを繰り返して行われる。それぞれのラウンドは、各プレーヤーのターンに分けられる。各戦闘の勝利条件はそれぞれ異なっており、バトルプランに書かれている。ある戦闘では、一定の勝利得点(VP)を集めることが求められ、また別の戦闘では、マップ上の特定の戦略目標を占領し維持することが求められる。

 

重要) もしこのルールブックに書かれたルールが、カードやゲームコンポーネントに書かれているルールと矛盾する場合は、カードやゲームコンポーネントのルールを優先すること。

 

コンポーネント

 

プラスチックフィギュア

スターク家とラニスター家のフィギュア 138体がある。コマンダーはダークグレイ、スタークはライトグレイ、ラニスターは赤である。

 

フィギュアベース

騎兵ユニット、騎兵コマンダー、スタークの犬狼マスターは、長方形のベースを使い、それ以外のユニットは正方形のベースを使う。

 

バナーポール

ユニットの能力を表す厚紙のバナーを差し込んで立てて使う。

 

マップボード

両面、6分割のマップボードは、それぞれのバトルプランに従ってバトルフィールドを作るために使われる。マップボード上には、各種の地形タイルを置いて、いろいろなマップを作ることができる。

 

ダイス

BOWでは、8面体ダイスを用いて戦闘解決を行う。

 

コマンダーカード

コマンダーカードは、戦闘における野戦指揮官を表す。多くのコマンダーは、異なる能力の複数のカードを持っている。どのカードを用いるかはバトルプランを参照のこと。

 

リーダーシップカード

リーダーシップカードは、プレーヤーがコマンダーを介して軍に命令を出すために使われる。戦闘に参加するそれぞれのコマンダーに固有の5枚のリーダーシップカードを、ハウスの基本コマンダカード10枚に混ぜて、リーダーシップデッキを作る。

 

ユニットリファレンスカード

ユニットの各種能力が記されている。

 

スカーミッシュカード(オプションルール)

28ページのスカーミッシュ(小競り合い)ルールにより、ランダムな戦力による小競り合い戦闘を生成するために使われる。それぞれのハウスに、スカーミッシュカードのセットがあり、コマンダーやユニット、特殊地形などが記載されている。スカーミッシュサマリーカードは、スカーミッシュセットアップルールと、勝利条件を記載している。

 

地形タイル

自然地形や人工的な構造物や障害物をマップボード上に表現するために使われる。

 

コマンドボード

プレーヤーがどちらのハウスをコントロールしているかを示す。また、戦闘中にコマンドトークンを置いておくためにも使われる。

 

ラウンドトラック、ラウンドマーカー、VPマーカー

ラウンドトラックにラウンドマーカーを置いて、現在のラウンドを示す。それぞれのハウスはVPマーカーをラウンドトラックに置き、現在までの勝利得点を示す。どちらのマーカーも裏面は+10になっており、VPやラウンド数が10を超えた場合はこちらの面を使用する。

 

モラルセグメント、モラルハブ、モラルマーカー

それぞれのハウスはモラルセグメントを持っており、モラルハブの両側にそれぞれを繋げてモラルトラックを作る。モラルトラックにモラルマーカーを1つ置くことで、両家の現在のモラルレベルを表す。モラルセグメントには表と裏があり、バトルプランがどちらの面を使うかを指定する。

 

コマンドトークン

コマンドトークンはリーダーシップカードをプレイするのに用いられ、そのラウンドにどちらの陣営がアドバンテージを持つのかを決めるのに使われる。

 

オーダートークン
オーダートークンはプレーヤーが一つのユニットに直接オーダーを出すために使われる。オーダートークンには、ダイスの目(緑の盾・赤の盾・青の盾・勇敢・士気)に対応した5種類がある。

 

バナー

それぞれのユニットには、必ずバナーを持つフィギュアが1体いなくてはならない。このバナーは、ユニットのハウス、コンバットランク(緑・青・赤)、ラウンドインジケーターを表す。ラウンドインジケーター(白または黒)は、そのユニットがこのターンに既にオーダーされたかどうかを示す。

 

コントロールマーカー

それぞれの陣営が、マップ上の勝利目標を支配したときに、それを示すために使われる。

 

方位トークン

方位トークンは共通の裏面を持ち、表は方位インジケーターの数字に対応した数が記されている。ゲームでランダムに方位を生成する時などに使われる。

 

エンゲージメントトークン

隣接する敵ユニットとの白兵戦を示すために使われる。両者の間のヘクスサイドに置かれる。

 

荒廃トークン

特殊な効果(火災など)により破壊された地形を表すためにマップ上に置かれる。

 

火災トークン

特殊な効果または能力によりマップ上に置かれ、火災の強さを表す。火災は、地形やユニットに対してダメージを与えることがある。

 

ストラテジートークン

戦闘における特定の勝利目標などを示すために使われる。詳細な使用方法は、個々のバトルプランに記されている。ストラテジートークンの裏面は共通でヘルメットが描かれている。緑色の表面は勝利地点、赤色の表面はダミーを表す。

 

特殊弓兵トークン

一部のシナリオにおいて、特別な弓兵のグループを表すために用いられる。

 

キャトリントークン、エドミュアトークン

これらは戦場にはいるが戦闘には参加していない重要な人々を表しており、個々の使い方はバトルプランに記されている。

 

テントトークン、攻城兵器トークン、コマンダーディスク、カタパルト目標トークン

これらの特別な使用法は、個々のバトルプランやスカーミッシュサマリーカードを参照のこと。

 

モメンタムトークン

ラウンドの開始時に、アドバンテージポイントが同点ならば、モメンタムトークンを持っているプレーヤーがアドバンテージを得る。どちらのプレーヤーがモメンタムトークンを持っているかは、バトルプランを参照のこと。

 

戦闘の準備

このセクションは、BOWのゲームをプレイするための準備について記載する。

プレイの前に、フィギュアをフィギュアベースに差し込んで固定する。このとき、バナーポールを差し込む穴がフィギュアの後ろ側に来るように注意すること。

 

セットアップ

初めてのプレーヤーは、”Clash on the Kingsroad”をプレイすることを勧める。

 

1)     プレイするバトルとハウスの選択
コアゲームの”Westeros Battle Plans”FFGのサイト、発売予定の拡張セットなどから、戦うバトルを選択する。コアゲームでは、プレーヤーはスターク家(白)とラニスター家(赤)を選択することができる。プレーヤーは自分のハウスのコマンドボード、リーダーシップカード、コマンダーカード、ユニットリファレンスカードを取る。これらのカードには、それぞれのハウスの家紋(スタークは大狼、ラニスターは金獅子)が記されている。

2)     バトルフィールドの準備
バトルプランに従い、マップボードを準備する(表と裏があるので、指定された方を用いる)。次に、地形タイル、特殊なトークン類をバトルプランに従って配置する。

3)     コマンダーを取る
個々のバトルは、特定のコマンダーを使用する。バトルプランには、登場するコマンダーとそのユニットの初期配置が記されている。どのコマンダーを用いるかを決めたら、そのフィギュアとコマンダーカードをプレイエリア(プレーヤーとマップボードの間)に置く。コマンダーによっては、複数のコマンダーカードを持っているので、バトルプランの指定するものを使用する(コマンダーの名前の下にあるタイトルを参照すること)。
例)Greatjon Umberには、”The Greatjon””Lord of Last Hearth”2種類がある。
コマンダーカードは、キャラクターに色が付いている面(Uncommitted side)を上にして配置する。

4)     リーダーシップデッキの準備
それぞれのハウスは、右下にコマンダーの絵が付いていない10枚の基本リーダーシップカードを持っている。また、それぞれのコマンダーは、自分の姿が右下に描かれた、固有のリーダーシップカードを5枚持っている。プレーヤーは、選択されたコマンダー固有のリーダーシップカードと、基本リーダーシップカード10枚を混ぜてよくシャフルする。これがリーダーシップデッキとなる。
リーダーシップカードには基本カードとコマンダー固有カードの二種類がある。
カードのコマンドボックスは、テキストの左上にコマンドアイコンが描かれている。
カードのタクティックボックスは、コマンドアイコンが描かれていない。

5)     ラウンドトラックとラウンドマーカーの配置
ラウンドトラックをバトルフィールドの横に置き、ラウンドマーカーを1の位置に置く。バトルプランには、最終ラウンド数が砂時計のアイコン(ラウンドリミットアイコン)の隣に記されている。

6)     モラルトラックとモラルマーカーの配置
両ハウスのモラルセグメントをモラルハブの両側から繋げて、モラルトラックを作る。モラルトラックはバトルフィールドの横に置き、それぞれのモラルセグメントがそのプレーヤーに近くなる向きに配置する。モラルセグメントには表と裏がある。どちらを使うかはバトルプランを参照のこと。コアゲームでは、モラルセグメントの表と裏の違いは、表の一番端は”11”のスペースであるのに、裏の一番端は”Rout”(潰走)であることである。モラルトラックを配置したら、モラルハブの中央にモラルマーカーを置く。

7)     トークンストックパイルの生成とコマンドトークンの配置
プレーヤーは、このバトルで使用するトークンを選り分け、マップボードの側に置いておく。それぞれのプレーヤーはバトルプランのコマンドアイコンの横に書かれた数の分だけ、コマンドトークンを取り、コマンドボードの上に置く。

8)     ユニットの配置
プレーヤーはバトルプランのバトルフィールドマップを見て、どのユニットがどこに初期配置されるのかを調べる。一つのユニットは一つのヘクスを占める戦闘単位である。ユニットは通常は34体のフィギュアからなる。コアゲームでは、ユニットは歩兵、弓兵、騎兵の三種類からなる。バトルプランに描かれたユニットのバナーカラーは、ユニットのランク(緑・青・赤)を表している。
ユニットを実際に配置する前に、プレーヤーは戦闘で使うバナーを用意する。バナーは、プラスチックのバナーポールと、厚紙のバナーからなる。バトルプランを見て、使われる厚紙のバナーを選択する。次にバナーポールに厚紙のバナーのラウンドインジケーター部分を差し込んで固定する。これらのバナーをまずマップボードに配置して、次にバトルプランにのっとり、ユニットの配置を行う。ユニットの中の1体のフィギュアにバナーポールを差し込む。ユニットにコマンダーがいるならば、バナーポールは必ずコマンダーフィギュアに差し込むこと。コマンダーにどのタイプのフィギュアが加わりユニットを形成するかは、コマンダーカードのUncommitted 側(フルカラー)の右上の角を参照する。

ユニットの形成
a)
バトルフィールドマップのユニットシンボルを見て、どのフィギュアを使ってユニットを形成するかを決める。マップのシンボルがコマンダーである場合は、そのコマンダーカードの右上の角を参照する。
b)
ユニットリファレンスカードを見て、ユニットの強さをチェックし、その数だけのフィギュアを指定されたヘクスに配置する。
c)
バトルフィールドマップに指定されたタイプのバナーポールを、ヘクス内の1体のフィギュアに差し込む。コマンダーがユニットにいるなら、常にコマンダーがバナーを持つ。

9)     モメンタムトークンの配置
バトルプランは、どちらのハウスがモメンタムトークンを持っているかを指定している。

 

以上でゲームの準備は完了である。

 

ゲームのプレイ

BOWの戦闘は、ラウンドを繰り返して行われる。バトルプランに描かれたラウンドリミットアイコン(砂時計)が、その戦闘の総ラウンド数を示す。例えば、”Clash on the Kingsroad”では、5ラウンドが戦われる。

一つのラウンドは以下のフェイズに分けられる。

1)     Rally phase(再招集フェイズ)

2)     Marshaling phase(整列フェイズ)

3)     Command phase(コマンドフェイズ)

4)     Regroup phase(グループ再編フェイズ)

このフェイズを繰り返し、最終ラウンドが終わるか、一方のプレーヤーが勝利条件を満たすまでゲームは続く。

 

1)     Rally phase(再招集フェイズ)
Rally phase
は、このラウンドの以後のフェイズにどちらのプレーヤーが先に行動するかを決定するために、両プレーヤーが同時に実施する。またコマンダーを回復させ、リーダーシップカードを再び使えるようにする。そしてユニットを再招集し、再びオーダーできるようにする。Rally phaseは以下の順に行われる。
 A) アドバンテージの決定
     両プレーヤーは、現在コマンドボードに置かれているコマンドトークンの数を比べ、より多く持っているプレーヤーがアドバンテージをとり、このラウンド中は最初に行動する。コマンドトークンの数が同じ場合は、モメンタムトークンを持っているプレーヤーがアドバンテージをとる。アドバンテージをとったプレーヤーを、第1プレーヤーとも呼ぶ。
 B) コマンダー(達)の回復
     両プレーヤーは、コマンダーカード上のコマンドトークンを全てとり、コマンドボードの上に戻す。
 C) ユニットの再招集
     両プレーヤーは、自分のユニットのバナーを回転させ、そのラウンドの色(白または黒)が自分から見えるようにする。こうすることで、全てのユニットがアクティブ(オーダー可能)となり、以後のコマンドフェイズで命令できるようになる。
     プレーヤーはラウンドトラックを参照し、そのラウンドの色(ラウンドカラー)をチェックする。プレーヤーはバナーポールを回転させ、自分から見える向きにマッチした色のラウンドインジケーターが来るようにする。この行為をRallying(再招集)と呼ぶ。
     既にラウンドカラーにマッチしているバナーのユニットは、回転させない。
     アクティブなユニットとは、ラウンドカラーにマッチしたラウンドインジケーターのバナーを持つユニットのことである。インアクティブなユニットとは、ラウンドカラーにマッチしないラウンドインジケーターのバナーを持つユニットのことである。
     アクティブなユニットだけが、続くコマンドフェイズで、オーダーすることができる。

2)     Marshaling phase(整列フェイズ)
Marshaling phase
に、両プレーヤーはこのラウンドで使うリソース(コマンドトークン、リーダーシップカード)を得る。
Marshaling phase
は以下の順に、第1プレーヤーから行われる。第1プレーヤーがA)B)を終えたら、次に、もう一人のプレーヤーがA)B)を、順番に行う。現在何かのアクションを行っているプレーヤーのことを、アクティブプレーヤーと呼ぶ。
 A) オーダートークンを受け取る
     アクティブプレーヤーは、バトルプランのオーダーレーティングアイコン(ダイスの絵)の隣に記された数字の分だけ、ダイスを振る。出た目に対応するオーダートークンをストックから取り、自分のコマンドボードの上に置く。前のラウンドで使わなかったオーダートークンと合わせて、これがこのプレーヤーのオーダープールとなる。
 B) リーダーシップカードを引く
     アクティブプレーヤーは、バトルプランのリーダーシップレーティングアイコン(カードの絵)の隣に記された数字の分だけ、カードを引く。前のラウンドで使わなかったカードと合わせ、これがプレーヤーのリーダーシップカードの手札となる。

     もしリーダーシップカードデッキに必要な枚数が足りなかった場合は、捨て札をシャフルして新しいデッキを作ること。

3)     Command phase(コマンドフェイズ)
コマンドフェイズに、プレーヤーはコマンドトークンやリーダーシップカードを用いて、バトルフィールドのユニットにオーダーを出す。ユニットがオーダーされたら、そのユニットのバナーポールを180°回転させ、次のラウンドのラウンドカラー面が手前に来るようにする。
第1プレーヤーから始めて、交互に、以下のうちの一つのアクションを選択して実行する。一人のプレーヤーがアクションを終えたら、そのプレーヤーのターンは終了し、もう一人のプレーヤーがアクティブプレーヤーとなり、アクションを実行する。選択可能なアクションは以下の通り。
        ・オーダートークンを使う
        ・リーダーシップカードをプレイする
        ・パス
両方のプレーヤーがパスするまで、アクションを選択して実行するプロセスを繰り返す。両者がパスしたら、次のフェイズに移行する。

・オーダートークンを使う
 オーダートークンはアクティブなユニット1個に対する直接の命令を意味している。オーダートークンには5種類があり、それぞれの効果は以下の通り。
   緑の盾: 緑のユニット1個に対してオーダーできる
   青の盾: 青のユニット1個に対してオーダーできる
   赤の盾: 赤のユニット1個に対してオーダーできる
   紫の籠手(valor, 勇敢): 任意のランクのユニット1個に対してオーダーできる
   黒の旗(morale, 士気): アクティブプレーヤーは自分のハウスのモラルを1増加させるか、またはモラルを1減少させることでユニット1個をrally(再招集)する(すなわちバナーポールを回転させる)ことができる。どちらにしても、ユニットはオーダーされない。
 ユニットに対してオーダーを出すには、プレーヤーはどのオーダートークンをどのユニットに対して使うのかを宣言する。次に、プレーヤーはオーダープールからそのオーダートークンを取り、サプライに戻す。オーダーされた行動が終了したら、ユニットのバナーをインアクティブ側に回転させる。
 通常は、オーダートークンはコントロールされていないユニットにオーダーを出す唯一の方法である(p.15)。

・リーダーシップカードをプレイする
 プレーヤーはリーダーシップカードを使うことで、複数のユニットに対してオーダーを出し、戦術行動(tactics)をとらせることができる。リーダーシップカードはコマンダーに、カードのコマンドボックスに書かれているように、複数のユニットに対して影響を及ぼしたりオーダーを出す能力を与える。カードの中には、コマンドテキストに書かれた戦闘解決の前または後に、カードの戦術(Tactic)ボックスに書かれたような特殊能力を発揮させるものもある。
 リーダーシップカードを使うには、プレーヤーはカードを手札から選択し、どのコマンダーに使用させるかを宣言する。リーダーシップカードに書かれている個々のコマンド(コマンドシンボルが描かれている)を解決するごとに、プレーヤーはコマンドボードからコマンドトークン1個を、該当するコマンダーのコマンダーカードの上に移動させる。その後、リーダーシップカードは捨て札にされる。
 プレーヤーがリーダーシップカードを用いるときは、コマンダー一人を指定する。このカードでオーダーされる全てのユニットは、カードがプレイされた時点でのこのコマンダーのZOC内にいなくてはならない。したがって、カードのコマンドテキストが「全てのユニットにオーダーする」と書かれている場合、それは指定されたコマンダーのコントロール下にある全てのユニットという意味である。
 注意すべきこととして、コマンドは、カードに特に記載されていない限り、味方ユニットのみに影響を与える。
 プレーヤーがカードの戦術ボックスにかかれた戦術を実施しようとする場合、まずその戦術を実行するための条件が満たされていることを示す必要がある。その後、戦術ボックスのテキストに従って、全てのコマンドが実施される前または後に、戦術を実行する。
 右下にコマンダーの姿が描かれている(コマンダー固有)リーダーシップカードは、どのコマンダーでもプレイすることができることに注意すること。

追加ルール
上記とは異なる使い方だが、リーダーシップカード1枚を捨て札にすることによって、味方コマンダーのZOC内にある任意のアクティブなユニット1個にオーダーすることができる。

・パス
 プレーヤーはオーダートークンやリーダーシップカードを使わずに、パスを選択することもできる。一度パスしたら、次のラウンドまでオーダーを出すことはできなくなる。パスした相手のプレーヤーは、アクションを続けて行うことができる。オーダートークンがなくなり、リーダーシップカードがプレイできなくなったプレーヤーは、パスしなくてはならない。

4)     Regroup phase(グループ再編フェイズ)
このフェイズに、プレーヤーは以下のアクションを順に行う。基本的には両プレーヤーが同時に行うが、タイミングが問題になる場合は、常に第1プレーヤーが最初に行う。

A)      ステータスコンディションの解決
ステータスコンディションは、特定のカードやユニットがバトルフィールドに置くトークンで表される。これらのステータスコンディションの効果は、この時点で解決される。
勝利得点(VP)の計上
多くのバトルには、各ラウンドにVPをもたらす目標や、ゲームの最終ラウンドのみにVPをもたらす目標、あるいはその両方が決められている。バトルプランには、いつVPがもたらされるか記載されている。もし今が最終ラウンドでないのなら、各ラウンドにVPをもたらす目標についてのみ、VPがスコアされる。最終ラウンドであれば、両方の目標について、VPをスコアする。

B)      勝利条件の確認
プレーヤーは、これが最終ラウンドであるかどうかを確認し、そうであるなら勝利条件を確認し、勝者を決定する。
 同点
VP
が同点であった場合は、特に指定されない限り、モラルが高い方が勝利する。もしモラルマーカーが中央にある場合は、モメンタムトークンを持っている方が勝利する。
 即時の勝利
多くの場合、バトルには通常の勝利条件の他に、即時勝利条件が指定されている。この即時勝利条件の中で一番多いのが、Rout(潰走)即時勝利条件で、もしモラルマーカーがモラルトラックの一番端のRoutスペースに来たら、そのプレーヤーは直ちに敗北する。
それ以外については、個々のバトルに固有の勝利条件がバトルプランに記載されている。即時勝利条件は常に通常の勝利条件に優先する。そして、Rout即時勝利条件は、他の即時勝利条件に常に優先する。

C)      余剰のリソースの廃棄
次のラウンドに持ち越せるのは、リーダーシップカード1枚とオーダートークン1個までである。両プレーヤーは、余剰のリーダーシップカードとオーダートークンを廃棄する。

D)     モラルの回復
軍のモラルがモラルトラックの着色された部分に入ってしまったプレーヤーは、いくらかのモラルを回復できる可能性がある。もしモラルマーカーがモラルブレーク(右下に小さな矢印があるモラルトラックのスペース)の上にないならば、プレーヤーはモラルマーカーを、現在の位置の色と同じ色で一番近いモラルブレークの所まで戻すことができる。もしモラルマーカーがモラルブレークの上か、灰色の縁のスペースにあるなら、モラルは回復させられない。
例)この例では、白い円で囲まれた緑の小さな矢印は緑のモラルブレークを表している。モラル回復アクションで、ラニスタープレーヤーは、モラルマーカーを緑ゾーンの6の位置から、緑のモラルブレークまで移動させることができる。

E)      ラウンドマーカーを進める
ラウンドトラックで、ラウンドマーカーを1スペース進める。

 

 

戦争の道具

以下のセクションは、どのようにユニットやコマンダーをバトルフィールドで用いるかについて述べる。

 

ユニットの構成と強度

一つのユニットは複数のフィギュアからなり、マップ上では一つのヘクスを占める。フィギュアの数を、ユニットの強度と呼ぶ。コアゲームでは、歩兵と弓兵の強度は4、騎兵とスターク大狼使いの強度は3である。フィギュアのうちの1体はバナーを持つ(旗手、Banner bearer)。コマンダーを含むユニットは、通常のフィギュア1体をコマンダーフィギュアと入れ替える。またコマンダーは常に旗手でなくてはならない。

ユニットが何らかの理由によりヒットを受けると、フィギュア1体が取り除かれる。すなわち強度が1減少する。旗手は、一番最後に取り除かれる。コマンダーがユニット最後のフィギュアとなった場合、彼は捕獲される可能性がある。

 

ユニットへのオーダー

 ユニットはオーダーされることで、移動し攻撃を行う。一つのユニットにオーダーするのには、一つのオーダートークンが必要である。一方、リーダーシップカードを使うことで、複数のユニットに対してオーダーすることができる。オーダーされたユニットは、全てのフィギュアが一緒に行動する。

 アクティブな(ラウンドインジケーターが現在のラウンドカラーの面を向けている)ユニットだけがオーダーされることができる。オーダーされた全ユニットはまず移動を行い、全てのユニットの移動終了後に、戦闘を行う。オーダーされたユニットが移動や戦闘を強制されることはない。また移動だけ、または戦闘だけ行うこともできる。

 オーダーされたユニットが移動攻撃を終えたら、プレーヤーはバナーを回転させ、インアクティブ面にする。そのユニットはrally(再招集)されるまで、オーダーすることはできない。

 モラルオーダートークンと、いくつかのリーダーシップカードは、ユニットをrally(再招集)することができる。その結果、一つのラウンドに一つのユニットを複数回オーダーすることも可能である。それ以外は、全てのユニットはrally phaseに自動的にrallyされる。

 

ユニットランク

 ユニットのランク(緑・青・赤)は、そのユニットの経験値や装備の質などを表している。緑のユニットは経験の未熟な軽装の兵を表す。青のユニットは、普通の装備を持った、ある程度経験のある兵を表す。赤のユニットは重装の経験豊富な兵を表す。赤のユニットは重装のため、移動力が遅い。ユニットのランクと、クラス(歩兵、弓兵、騎兵)により、そのユニットが行えるアクションが決められる。

(オーダーテーブルの攻撃ダイスの列の右に、紫の籠手禁止マークがある場合、ダイスのvalor(紫)の目はミスとなる)

 

オーダートークンによるオーダー

1つのユニットにオーダートークンを用いてオーダーをする場合は、プレーヤーはどのアクティブユニットに対してオーダーするのかをまず宣言し、次に自分のオーダープールからユニットのバナーカラーに一致したオーダートークンを1個か、またはValorトークン(紫の籠手)1個を取り、サプライに戻す。あるいは、プレーヤーは(任意の)同じ色のオーダートークン2個を同時に捨てることで、任意のユニット1個にオーダーすることができる。

 オーダートークンを捨てた後、プレーヤーはそのユニットの移動と戦闘をどうするか決定する。戦闘の前に全ての移動を終了させなくてはならない。オーダーが終了したら、バナーをインアクティブ面に向けて回転させる。

 

リーダーシップカードによるオーダー

 リーダーシップカードは、いくつかのオーダーを連続して行わせることができる。リーダーシップカードを使う場合、プレーヤーはまず、どのコマンダーフィギュアにコマンド群(及び戦術)を実行させるかを指定する。インアクティブなコマンダーも、リーダーシップカードを実行することができる(すなわち、一度オーダーされて移動戦闘したコマンダーのユニットに対しても、リーダーシップカードを使うことができる)。また、コマンダー固有のリーダーシップカード(右下にそのコマンダーの絵が描かれている)は、どのコマンダーに対しても使用することができる。

 ほとんどのリーダーシップカードは、二つのセクションを持っている。最初のセクションがコマンドボックスで、二番目のセクションは戦術(Tactic)ボックスである。

 リーダーシップカードによるコマンドは、そのコマンダーのZOC内(すなわちコントロール下)にいる味方ユニットに対してのみ、適用される。BOWのコアゲームにおいては、全てのコマンダーのZOC2ヘクスである。一つのユニットが同時に複数のコマンダーのコントロール下にある場合もある。

追加ルール)

プレーヤーは任意のリーダーシップカード1枚を捨て札にすることで、味方コマンダーのZOC内にあるアクティブなユニット1個に対してオーダーをすることができる。この場合も、コマンドトークンをコンマダーカードの上に置かなくてはならない。

コマンド

 コマンドは、同時に実行される複数のオーダーである。また、このターンだけ特殊な効果を発揮するものもある。リーダーシップカードによってオーダーする場合は、プレーヤーは、対象となるユニットが皆アクティブであり、対象コマンダーのZOC内にいることを確認しなくてはならない。その後、以下のステップに従ってオーダーを行う。

1.       リーダーシップカードをどのコマンダーを用いてプレイするか宣言する。

2.       必要なコマンドコストを支払う。

3.       オーダーされるユニットを全て指定する。

4.       オーダーされたユニット全てを移動させる。

5.       オーダーされたユニット全てによる戦闘を解決する。

 

リーダーシップカード上のコマンドには、コマンドアイコンが記されている。コマンドを実行するには、プレーヤーは自分のコマンドボードの上から、コマンドアイコン1個につきコマンドトークンを1個とり、そのコマンダーのコマンダーカードの上に置かなくてはならない。コマンダーカードは、そのコマンダーのコマンドリミットを超えるコマンドトークンを乗せることはできない。複数のコマンドがカードに書かれている場合、実行する順番は任意である。それぞれのコマンドは一回ずつしか実行できない。

 

戦術(Tactic

 戦術は、コマンダーによってオプションとして実行される特殊なオーダーやアクションを意味する。リーダーシップカードでコマンドを実行する際に、戦術を続けて実行するかどうかは任意である。

 例) 戦闘前に  もし敵のモラルが緑ゾーンかそれ以下にある場合、あなたが望む任意の敵1ユニットはこのターンに反撃ができない。

戦術を実行するには、以下のステップを行う。

1.       発動条件のチェック
 戦術には、発動条件が常に記載されている。オーダープールの発動条件では、プレーヤーは指定されたオーダートークンをオーダープールに持っていなくてはならない。この確認行為を、「オーダートークンチェック」と呼ぶ。一つのオーダートークンは、一枚のリーダーシップカードについて、一回しかオーダートークンチェックを受けることはできない。したがって、一つのオーダートークンがある戦術についてチェックを受けた場合は、同じターンに再びチェックを受けることはできない。もし戦術が2個以上の同じ色のオーダートークンのチェックを求めている場合、プレーヤーは一つのオーダートークンを二回チェックしてはいけない。
 モラルに関する発動条件を満たすには、モラルトラック上のモラルマーカーが、正しい位置にいなくてはならない。モラルの条件は、マーカーがある範囲よりよいか悪いかについて述べている。例えば、プレーヤーのモラルが緑かそれ以上であることが発動条件である場合、モラルマーカーはモラルトラックの自分側緑ゾーン内か、それよりも敵方向になくてはならない。敵のモラルが緑かそれ以下とある場合は、モラルマーカーが敵側の緑ゾーン内かそれより敵方向になければならない。

2.       戦術の実行
 全ての発動条件が満たされた場合は、プレーヤーはカードに指定されたタイミングで、戦術の効果を発動することができる。

 

コマンダーユニット

 コマンダーを含むユニットをコマンダーユニットと呼ぶ。コマンダーユニットのフィギュアタイプ(歩兵・弓兵・騎兵)は、そのコマンダーのコマンダーカードの、名前とタイトルの横に記されている。コマンダーユニットは、そのフィギュアタイプの通常の能力の他に、コマンダーカードに記載された特殊な能力を持っている。この特殊能力は、コマンダーカードに記された任意のタイミングで発動させることができる。

 

 “Commit Ability”

 コマンダーは、そのバトルを通じて1回だけ、特殊な能力(Commit Ability)を発動させることができる。この能力を発動したら、コマンダーカードを裏(Committed side)にすること。

 

 

ユニットの移動

プレーヤーがユニットを移動させるには(退却を除き)、オーダーしなくてはならない。複数のユニットを移動させる時は、一つのユニットの移動を終えてから、次のユニットを移動させる。戦闘を行う前に、全ての移動を終了させなくてはならない。オーダーされたユニットは、移動を強制されない。移動に関するルールは以下の通り。

・ユニットは、完全なヘクスの中にのみ入ることができる。マップ端の半分のヘクスは、マップ外と考え、侵入不可である。ユニットは、バトルプランで特別に認められていない限り、マップ外へ移動することはできない。

・一つのヘクスにいられるのは一つのユニットに限られる。ユニットは移動の最中に、敵・味方を問わず、他のユニットのいるヘクスに入ることはできない。

・一つのユニットのフィギュアを分散させて移動することはできない(ユニットの分割はできない)。

・ユニットは、他のユニットのフィギュアを合流させることはできない。

・ユニットは、クラスとランクにより、異なる移動力を持つ。

・ユニットはオーダーテーブルに書かれた移動力までの任意の数のヘクスを移動することができる。

・いくつかの地形は、移動に影響を及ぼす。

・オーダーされたユニットが戦闘を行わないとしても、移動終了時には、ラウンドインジケーターのインアクティブ面を向けなくてはならない。

・敵とエンゲージ(隣接)しているユニットが移動しようとする時には、その敵ユニットはアクティブプレーヤーのターンを中断させ、離れていくユニットを攻撃することができる(p22の、追い打ちルール参照)。

 

敵への攻撃

 全ての移動が終了したら、オーダーされたユニットは一つずつ、任意の順番で、攻撃を行うことができる。攻撃は以下の戦闘シークエンスに従って解決される。一つの戦闘が終了したら、そのユニットのバナーをインアクティブ面に回転させる。その後、次のオーダーされたユニットの戦闘に移る。オーダーされたユニットは、戦闘を強要されない(たとえ敵と隣接していても)。攻撃の際に振るダイスの数は、ユニットに残っているフィギュアの数とは関係ない。一つの戦闘が終わったら次の戦闘を解決する。どの順番で解決するかはアクティブプレーヤーの任意である。

 

戦闘シークエンス

1.       攻撃を行うユニットを宣言する
アクティブプレーヤーは、オーダーされたユニットの中のどのユニットが攻撃を行うのかを宣言する。このユニットのことを攻撃ユニットと呼ぶ。

2.       目標のユニットを宣言する
アクティブプレーヤーは、攻撃の目標となる敵ユニットを宣言する。このユニットのことを目標ユニットと呼ぶ。

3.       射線(LOS)と射程の確認
射程: 攻撃ユニットのいるヘクスを除き、目標ユニットのいるヘクスを含めて数える。弓兵の射程は、ユニットリファレンスカードを参照のこと。
射線: 攻撃ユニットのいるヘクスの中心から、目標ユニットのいるヘクスの中心までの、直線がLOSとなる。LOSが障害地形、味方または敵のユニットのいるヘクスの一部を通るならば、LOSは妨害される。LOSがヘクスの辺を通る場合は、そのLOSを右か左に平行にわずかにずらしてみて、どちらかでLOSが通るなら敵へのLOSは通る。隣接するユニットへのLOSは常に通る。

4.       エンゲージメントトークンの配置(必要ならば)
近接攻撃を行うユニットがまだエンゲージしていない目標ユニットを攻撃する場合、アクティブプレーヤーは自分のハウスのエンゲージメントトークンを目標ユニットとのヘクス境界線に置く。もし(前の敵ターンに目標ユニットが攻撃ユニットを攻撃した結果)攻撃ユニットが目標ユニットとすでにエンゲージしている場合には、アクティブプレーヤーは攻撃ユニットの他ユニットとのエンゲージメントトークンを取り除いてから、自分のハウスのエンゲージメントトークンを目標ユニットとの間に置く。もし目標ユニットが、すでに他の自軍ユニットとエンゲージしている場合は、攻撃ユニットの攻撃は側面攻撃となる(p21参照)。

5.       攻撃ダイスの選択
ユニットリファレンスカードを参照して、振るダイスの数を決定する。一般的には、緑ユニットは2個、青ユニットは3個、赤ユニットは4個であるが、地形、リーダーシップカード、ユニットの特殊能力、各種トークンなどにより、適宜増減される。

6.       攻撃ダイスを振る
ダイスの数が足りない時は、初回のロールの結果をサプライのオーダートークンを使って記録しておくことができる。

7.       戦闘の解決

A)      目標ユニットの色と同じ色の盾の目が出たらヒットとなる。

B)      Valor(紫の籠手)の目は、オーダーテーブルに”no Valor hit”アイコンがある場合はミスとなるが、それ以外は、原則としてヒットとなる。例外として、騎兵ユニットに対する非騎兵ユニットからの攻撃では、Valor(紫の籠手)は常にミスとなる。

C)      ヒット1つにつき、防御側はフィギュア1体を除去する。旗手は常に最後に除去される。旗手が除去されたらそのユニットは潰滅となり、モラルが減少する(p23)。コマンダーフィギュアは通常のフィギュアのようにダメージを受けて除去されることはない。その代わり、コマンダーは捕虜にされる。

D)     目標ユニットが潰滅しなかった場合、退却が起こるかどうかを判定する。目標ユニットはMorale(黒の旗)の目1つにつき1ヘクス退却しなくてはならない(p21)。

8.       攻撃を行ったユニットのバナーを回転させる
戦闘終了後、攻撃ユニットのバナーポールを回転させ、インアクティブ面を手前にする。

 

反撃(Counterattacking

 目標ユニットが「勇敢(Stalwart)」であり、かつ白兵戦攻撃によって壊滅も退却もしなかった時は、反撃を行うことができる。退却するユニットは反撃をすることはできない。反撃の前に、アクティブプレーヤーの攻撃を完全に解決しなくてはならない。反撃に関するルールは以下の通り。

 ・反撃はユニットをディスエンゲージ(エンゲージの解消)させない。

 ・他のユニットにエンゲージしている時に、攻撃ユニットに対して反撃を行うユニットは、(ディスエンゲージされないので、他のユニットから)追い打ち攻撃を受けない(p22)。

 ・反撃を行うユニットは、お返しにさらに反撃されることはない。

 ・反撃を行うユニットは、反撃の後で、戦闘後前進や追撃を行うことはできない。

 ・反撃は、通常の攻撃と同じように解決される。

 ・「攻撃時に」適用されるダイス修正は、反撃時には適用されない。

 

敵とのエンゲージ

 ユニットは敵ユニットとのヘクス境界にエンゲージメントトークンが置かれていたら、エンゲージされている。このトークンは、白兵戦攻撃(側面攻撃を除く)が起こった場所を示すために置かれる(p19)。このセクションは、どのようにしてエンゲージメントが起こるか、どのようにしてそれが破られるか、エンゲージメントがユニットにもたらす効果等について説明する。

 

エンゲージしたユニット

エンゲージしたユニットは移動や攻撃に際して制約を受ける。一つのユニットはヘクス内に一つのエンゲージメントトークンしか持つことはできない。

 

エンゲージしている目標への側面攻撃

 エンゲージしていない攻撃ユニットが、既に他のユニットとエンゲージしている目標ユニットに対して白兵戦攻撃を行う場合、それは側面攻撃となる。側面攻撃を行った場合、攻撃側のプレーヤーは戦闘ダイスを振った後、望むなら、出た目のうちの一種類のダイスシンボルを選択し、そのシンボルが出たダイス(のみ)を振り直すことができ、振り直した結果が適用される。

 

エンゲージしたユニットの移動

 敵とエンゲージしているユニットは、まずディスエンゲージしないと、移動を行うことはできない(p22)。そのためには、プレーヤーはエンゲージしているユニットにオーダーを出し、現在のヘクスから移動するつもりであることを宣言し、エンゲージメントトークンをサプライに戻す。相手プレーヤーは、離れていくユニットに対して、ディスエンゲージされる自分のユニットにより、Parting Blow(追い打ち)を行うことができる。もし離れていくユニットがこの追い打ちにより壊滅しなければ、移動を継続することができる。追い打ちにおいては、morale(黒の旗)の目はミスとなる。

 

エンゲージと側面攻撃(図)

目標ユニットを攻撃するとき、攻撃側プレーヤーはまず、目標ユニットがエンゲージメントトークンを既に持っているかどうかをチェックする。左の例では、目標はトークンを持っていない。

 もしエンゲージメントトークンがなければ、攻撃側プレーヤーは自家のシンボルがついたエンゲージメントトークンをヘクス境界に置く。右の例では、スタークのプレーヤーが、攻撃解決の前にエンゲージメントトークンを置いている。

 すでに目標のヘクスにエンゲージメントトークンがあるなら、次の攻撃は側面攻撃となる。左の例では、ラニスターのユニットは既にエンゲージメントトークンを持っているので、攻撃側プレーヤーはエンゲージメントトークンを置かない。

 

エンゲージされているユニットの攻撃

 敵ユニットにエンゲージされているユニットは、一度ディスエンゲージしない限り、エンゲージされている敵しか攻撃することはできない。エンゲージされている敵ユニットを攻撃する時は、プレーヤーはエンゲージメントトークンを自家のものに取り替える。すでに自家のトークンである時には、何も起こらない。

 弓兵は、移動しない限りディスエンゲージすることはできない。遠距離射撃はエンゲージメントをもたらさないが、もし弓兵が敵ユニットにエンゲージされている時は、(もし攻撃をするなら)その敵ユニットのみを攻撃することができる(移動してディスエンゲージしない限り)。

 もし既に敵にエンゲージされている自軍ユニットが、他の隣接敵ユニットを攻撃する場合は、そのエンゲージメントは解消され、ディスエンゲージされた敵ユニットはこちらに追い打ち攻撃をすることができる。追い打ち攻撃で壊滅しなかったら、自軍ユニットはそのまま新たな隣接敵ユニットを白兵戦攻撃できる。

 

ディスエンゲージ(エンゲージ解消)

 エンゲージメントを解消しようと意図するプレーヤーは、そのユニットのエンゲージメントトークンを取り除き、相手から追い打ち攻撃を受ける。他の方法によりエンゲージメントが解消される場合(カードの効果や退却など)は、追い打ち攻撃は発生しない。

 エンゲージしている(されている)ユニットは、通常は、移動で離れていくか、他のユニットを攻撃する以外、ディスエンゲージすることはできない。

 

エンゲージメントトークンの除去

 もし攻撃の結果、敵ユニットが壊滅したり、退却した場合は、エンゲージメントトークンは除去される。

 

追い打ち攻撃(Parting Blow

 追い打ち攻撃とは、エンゲージしていた敵が離脱を図るときに、その敵を攻撃することをいう。追い打ち攻撃は、離脱する敵ユニットが移動や攻撃を行う前に解決される。追い打ち攻撃は通常の戦闘と同様に行うが、morale(黒い旗)の目はミスになる。退却を強要されて離脱する敵ユニットに対しては、追い打ち攻撃をすることはできない。

 

退却

ある種の戦闘結果や戦術、ユニットの特殊能力等は、敵ユニットを退却させることができる。カードの効果による退却については、カードの記載に従う。防御ユニットは、戦闘の結果で出たmorale(黒の旗)の目1つにつき、1ヘクス退却しなくてはならない。退却についての詳細なルールは以下の通り。

 ・退却は、攻撃を受けた方向の反対側ヘクスが空いているなら、その方向(主退却方向)にしなくてはならない。
 ・主退却方向が他ユニットや侵入不可地形でふさがっている場合は、副退却方向に退却しなくてはならない。副退却方向とは、主退却方向の隣(60°方向)で、ボード手前に近い方向のことを指す。右の図では、A: Attacker, T: Target, P: Primary(主退却方向), S: Secondary(副退却方向)を示している。

 ・複数ヘクス退却する時は、その退却方向に全て移動しなくてはならない。もし途中で移動がブロックされた場合は、ヒットを受けなくてはならない(下記参照)。

 ・特にルールに記載されていない限り、地形効果は退却に影響を及ぼさない。ただし、侵入不可の地形には退却することはできない。

 ・敵および味方のユニットがいるヘクスには、退却することはできない。

 ・マップ外に退却することはできない。

 ・退却できないヘクス1つにつき、ユニットは1ヒットを直ちに受けなくてはならない。

 ・退却すべき総ヘクス数のうちの一部のみ退却可能な場合は、まずはできる限り退却を行い、その後退却できなかったヘクス分だけヒットを受ける。

 

コマンダーの捕獲

 コマンダーがいるユニットの、コマンダー以外のフィギュアが全て除去された場合、コマンダーは捕獲される可能性がある。コマンダーカードの、盾の上に書かれた数字(Capture Rating)は、コマンダーを捕獲するために、一回の攻撃でまとめて与えなくてはいけないヒット数を表している。捕獲されたコマンダーは、相手プレーヤーのプレイエリア(プレーヤーとマップの間)に置かれる。

 いくつかのカードは、特殊な能力を発動させるためにユニットが(自発的に)ヒットを受けることを認めている。しかし、コマンダーフィギュアはカードの効果を発動するためにヒットを受けることはできない。(コマンダーユニットの他のフィギュアは、この目的のためにヒットを受けることができる)。

 

モラルトラック

 モラルトラックのマラルマーカーは、軍の士気の高さを表している。相手プレーヤーの方向にモラルマーカーが移動することは、自軍のモラルが増加することを意味している。反対に、自分の方向にモラルマーカーが移動するのは、自軍のモラルが低下することを意味する。モラルマーカーは1個なので、自軍のモラル上昇は、すなわち敵軍のモラル低下を意味する。

 もしモラルマーカーがRout(潰走)のスペースに来た時は、その軍は直ちに戦場から潰走し、ゲームは終了する。もしモラルトラックの一番端が「Rout」でなくて「11」の時にモラルマーカーが一番端に来た場合は、マーカーはそれ以上は移動せず、反対側に移動するまでそこに留まる。

 モラルマーカーが移動するのは、以下の場合である。

 ・緑ランクの敵ユニットを壊滅させた → モラルは1上昇

 ・青      〃         → モラルは2上昇

 ・赤      〃         → モラルは3上昇

 ・モラル上昇のためにmoraleオーダートークン(黒の盾)1個を使用 → モラルは1上昇

 ・moraleオーダートークン1個を使って、ユニット1個を再招集(rally) → モラルは1減少

 ・カードの効果 → カードの記載による

 

 グループ再編フェイズに、モラルマーカーがモラルトラックの自分側の色のついたゾーンにある場合、そのゾーンのモラルブレークまでモラルマーカーを戻すことができる(p14)。

 

特性とキーワード

特性

ユニットとコマンダーは、一つ以上の特性を持つ。特性とは、特定のユニットやコマンダーに関係した性質(ユニットのクラス(歩兵、弓兵、騎兵)等)のことを意味する。特性はコマンダーカードやユニットリファレンスカードに太字の斜体で書かれている。一部のカードや能力は、特定の特性を持つユニットやコマンダーや地形などによって効果を発動する。特性は、それ自体は何もしないが、各種の効果や能力の目標を決定する際に使用される。

 

キーワード

多くの能力はユニットリファレンスカードに全ての詳細を書くには複雑すぎる。そのような能力を持っているユニットやコマンダーは、その能力に関連したキーワードを持っている。すなわち、キーワードは能力を簡潔に表すための単語である。キーワードはコマンダーカードやユニットリファレンスカードに大文字で書かれている。

ADVANCE

このキーワードを持っている攻撃ユニットは、攻撃の目標ユニットが壊滅したり退却したりした場合に、戦闘後前進(目標ユニットが直前までいたヘクスに入ること)をすることができる。一つのユニットは一ターンに一回だけADVANCEをすることができる。

COVER X / TOUGHNESS X

COVER / TOUGHNESS は、ユニットが攻撃を受けてフィギュアを除去する前に、Xヒットを無効にできる能力を意味する。TOUGHNESSはユニットによる効果で、COVERは地形による効果を示す。

DOGS OF WAR

スタークの大狼使いなどの一部のユニットは動物を攻撃に使うことができる。このキーワードを持つユニットがオーダーされた場合、通常の移動攻撃の代わりに、特殊な遠距離攻撃を行うことができる。この特殊攻撃は、目標から2ないし3ヘクスの距離から行われる(隣接ヘクスからは不可)。攻撃の際は、通常の戦闘ダイスを振る前に、ダイスを1個振り、どのように攻撃をするか、以下の表を参照する。

-       緑の盾: 緑ランクユニットとして攻撃を行う。

-       青の盾: 青       〃

-       赤の盾: 赤       〃

-       黒の旗: 攻撃ダイスは振らない。目標ユニットは1ヘクス退却する(この退却は他の能力によって無効化されない)。

-       紫の籠手: 攻撃ダイスは振らない。目標ユニットは1ヒットを受ける(このヒットは他の能力によって無効化されない)。

この特殊攻撃については、味方のユニットは射線を遮らないが、河ヘクスは射線を遮る。その他の障害地形は、通常通り射線を遮る。

HEAVY ARMOR

このキーワードを持つユニットは、攻撃を受ける際には、1ランク高いユニットとして扱う。すなわち、緑ランクユニットであれば、青ユニットとして防御を行う。もし赤ユニットがHEAVY ARMORキーワードを持っている場合は、紫の籠手(valor)の目を無視することができる。Moral(黒の旗)の目は、HEAVY ARMORを持っているユニットにも等しく効果を及ぼす。

OFF-BALANCE

このキーワードを持つユニットは、移動してから攻撃を行う際に、攻撃ダイスの数を1個減らさなくてはならない。

PURSUE X

このキーワードを持つユニットは、攻撃を行った後、目標ユニットが壊滅または退却した場合に、Xヘクスまで移動を行い(最初のヘクスは直前まで敵がいたヘクスでなければならない)、追加の攻撃を行うことができる。追加攻撃の目標は、同じ敵ユニットでも異なる敵ユニットでもよい。追加攻撃は1ターンに1回だけ行える。追加攻撃を行うためには、ユニットは最低でも1ヘクスは追加移動をしていなくてはならない。ユニットは追加移動をした後、追加攻撃をしなくてもよい。

SCORCH THE EARTH

このキーワードを持つユニットは、オーダーされた時に、通常の移動攻撃の代わりに、隣接ヘクスに火災トークンを配置することを試みることができる(その地形がBurn Limitを持っている場合に限る)。そうするためには、ユニットはヘクスを目標にして、通常通り攻撃ダイスを振る。緑の盾の目が出るごとに、火災レベルは1増加し、火災レベルの数値を持った火災トークンをヘクスに配置する。ヘクスにおける火災の効果については、右のステータスコンディションを参照のこと。

 

勇敢(Stalwart

「勇敢」なユニットは、相手に出されたmorale(黒い旗)の目を1個、(望むなら)無視することができる。また、「勇敢」なユニットは、白兵戦で壊滅も退却もしなかった場合、敵に反撃を行うことができる(p21)。

 他のキーワードと異なり、どのユニットでも、味方のユニット2個に隣接している時は「勇敢」になることができる。

 

ステータスコンディション

ステータスコンディションとは、ユニットや地形に適用される各種の効果を意味する。ステータスコンディションの効果は、各ラウンドのグループ再編フェイズに適用される。BOWコアゲームでは、火災が唯一のステータスコンディションである。

 

火災

火災が発生したヘクスには火災トークンが置かれる。火災トークンには異なる数字が書かれたものがあり、数字は火災の強さを表す。火災トークンが置かれたヘクスは、グループ再編フェイズに、火災ステータスコンディションの効果を適用する。その手順は以下の通り。

1.       効果を地形に適用する
火災が起こりえる地形には、「Burn X」と書かれた火災上限値(Burn Limit)が定められている。Xは、そのヘクスが許容できる火災トークンの最大値を示す。もしそのヘクスがBurn Limitの火災トークンを持っているなら、その地形によって異なるBurn Limitの効果を適用する(p25)。火災の影響を受ける地形は限られている。

2.       効果をユニットに適用する
グループ再編フェイズに、火災トークンのあるヘクスにいるユニットは、火災レベル1につき1体のフィギュアを除去しなければならない。このようにして除去されたコマンダーフィギュアは、捕獲されたものとして扱う。
 ・その地形のBurn Limitまでの火災トークンしか、ヘクスには置かれない
 ・火災トークンが置かれているヘクスにはユニットは入ることはできない

3.       レベル4火災の延焼
レベル4の火災は、グループ再編フェイズのステータスステップに、隣の1ヘクスに延焼する。ランダム方位トークンを1個引き、バトルプランの方位インジケーターを参照して、方位を決定する。その方向の隣接ヘクスの火災レベルを1増加させる。そこがすでに火災レベル4であった場合は、何も起こらない。そこにまだ火災トークンがなければ、レベル1のトークンを置く。
 ・火災トークンがあるヘクスにいるユニットは、そのヘクスを離れることができない(消火活動に忙しくて)。
 ・ユニットは、オーダーされて、一つのターン全てを消火活動に費やすことによって、そのヘクスの火災トークン(どのレベルでも)を取り除くことができる(すなわち、移動も攻撃もできない)。
 ・Burn Limitが「Burn: None」と書かれた地形は、火災トークンを置かれることはない(例、石の橋など)。
 ・どのユニットでも、攻撃を行う代わりに、以下のようにして隣接ヘクスの火災トークンを取り除くことを試みることができる。ダイスを1個振り、以下の目が出たら、火災トークンを取り除く。
      レベル1  緑の盾
      レベル2  青の盾
      レベル3  赤の盾
      レベル4  紫の籠手

 

 

ウェストロスの各種地形

 

・平地(Plains

射線妨害: なし

移動: 制限なし

戦闘: 制限なし

火災上限: 4 特殊な火災効果なし

特別ルール: なし

 

・丘(Hills

射線妨害: あり

移動: 制限なし

戦闘: 丘にいるユニットに対する攻撃は、攻撃ユニットが他の丘にいない限り、戦闘ダイス3個まで(各種ダイス修正適用前)。
   丘にいる弓兵は、他のユニットにより射線を遮られない。

火災上限: なし

特別ルール: なし

 

・森(Forests

射線妨害: あり

移動: 森に入ったユニットはそこで停止しなければならない。

戦闘: 森にいるユニットに対する攻撃は、戦闘ダイス2個まで(各種ダイス修正適用前)。

   森にいるユニットが行う攻撃は、戦闘ダイス2個まで(各種ダイス修正適用前)。

火災上限: 3 火災レベルが3になったら、森は破壊され、荒廃(devastation)トークン をそこに置く。

特別ルール: 荒廃トークンが置かれた森ヘクスは、平地として扱われる。

 

・河、森の河(River/Forest River

射線妨害: 河はなし、森の河はあり

移動: 侵入不可

戦闘: 制限なし

火災上限: なし

特別ルール: なし

 

・建物(Building

射線妨害: あり

移動: 建物に入ったユニットはそこで停止しなければならない。

戦闘: 建物にあるユニットはCOVER 1の効果を得る。ただし、敵ユニットとエンゲージしていて、自家のエンゲージメントトークンを置いている場合は、この効果は得られない。
   建物にいる弓兵が行う攻撃は、戦闘ダイス2個まで(各種ダイス修正適用前)。

火災上限: 4 火災レベルが4になったら、建物は破壊され、荒廃(devastation)トークン をそこに置く。

特別ルール: 荒廃トークンが置かれた建物ヘクスは、平地として扱われる。

 

・道路、森の道路(Road/Forest Road

射線妨害: 道路はなし、森の道路はあり

移動: 移動のために道路のみを使うユニットは、追加の1ヘクスを移動できる(追加の1ヘクスは道路ヘクスでなくてもよい)。

戦闘: 制限なし

火災上限: 道路は4、森の道路は3(火災の効果については通常の森に準じる)

特別ルール: 全ての移動が道路の上ならば、ユニットは1ヘクス余分に戦闘後前進(Advance)でき(最大2ヘクスまで)、また1ヘクス余分に追撃(Pursue)できる(最大3ヘクスまで)。

 

 

地形トークン

地形トークンの効果は、通常はその下の地形ヘクスの効果に上書きされる。

 

・木製の橋(Wooden Bridge

射線妨害: なし

移動: 道路として扱う

戦闘: 制限なし

火災上限: 3 火災レベルが3に達したら、木製の橋は破壊され、橋のトークンと火災トークンは取り除かれる。

特別ルール: 戦闘後前進と追撃は、木製の橋にはできない。

 

・石の橋(Stone Bridge

射線妨害: なし

移動: 道路として扱う

戦闘: 制限なし

火災上限: なし

特別ルール: 戦闘後前進と追撃は、石の橋にはできない。

 

・防御柵(Palisade

射線妨害: あり

移動: 侵入不可

戦闘: 制限なし

火災上限: 4 火災レベルが4に達したら、防御柵は破壊され、トークンは取り除かれる。

特別ルール: なし

 

・テント(Tent

射線妨害: なし

移動: 制限なし

戦闘: 制限なし

火災上限: 1 火災レベルが1になったら、テントは破壊され、トークンは取り除かれる。

特別ルール: バトルプランによる。

 

・攻城兵器(Siege Tower

射線妨害: あり

移動: 侵入不可

戦闘: 制限なし

火災上限: 火災レベルが1になったら、攻城兵器は破壊され、トークンは取り除かれる。

特別ルール: バトルプランによる。

 

・浅瀬(Ford

射線妨害: なし

移動: 歩兵は、浅瀬に入ったら停止しなければならない。騎兵は、浅瀬に入ったら、残りの移動力が1減少する。

戦闘: 浅瀬にいるユニットからの反撃は、戦闘ダイス2個まで(各種ダイス修正適用前)。

火災上限: なし。

特別ルール: なし

                                                                                                 

・火災(Fire

射線妨害: なし

移動: 火災トークンのあるヘクスには入ることができない。すでに火災トークンがあるヘクスにいるユニットは移動できない。

戦闘: 火災トークンがあるヘクスにいるユニットは、攻撃ができない。

火災上限: なし

特別ルール: 火災のルール参照(p25

 

・荒廃(Devastation
射線妨害: なし

移動: 荒廃トークンのあるヘクスは平地として扱う。

戦闘: 荒廃トークンのあるヘクスは平地として扱う。

火災上限: 特別ルールを参照のこと。

特別ルール: 荒廃トークンは、元の地形の特殊効果を全て消失させる。

 

 

用語解説

・アクティブ(ACTIVE

 バナーのラウンドインジケーターが現在のラウンドカラーと同じユニットは、アクティブである。アクティブなユニットのみがオーダーできる。

・アドバンテージ(ADVANTAGE

 あるゲームラウンドで、最初に行動できるというプレーヤーの権利。

・捕獲難易度(CAPTURE RATING

 孤立しているコマンダーフィギュアを捕獲するために、一回の攻撃ダイスで出さなくてはならないヒット数。コマンダーカードの盾の上の数字に示される。

・チェッキング(CHECKING

 戦術(Tactic)によって要求されるオーダートークンが、自分のオーダープールにあるかどうか確認する行為。

・クラス(CLASS

 ユニットが所属するカテゴリー(歩兵、弓兵、騎兵)。ユニットのクラスは、ユニットリファレンスカードの特性の欄に書かれている。

・コマンドリミット(COMMAND LIMIT

 コマンドカードの上に置くことができるコマンドトークンの最大数。コマンダーカードのコマンドトークンのアイコンの上の数字で示される。

・コントロール下(CONTROLLED

 ユニットが自軍のコマンダーのZOC内にいる状態。

・カバー(COVER

 一部の地形やユニット能力により与えられる特殊効果で、ユニットは指定された数のヒットを無視することができる。

・エンゲージしている(ENGAGED

 一つのヘクス境界にエンゲージメントトークンを置かれているユニット。

・フィギュア(FIGURE

 ゲームで使う小さな人形。

・側面攻撃(FLANKING

 他の自軍ユニットと既にエンゲージしている敵ユニットを、白兵戦攻撃すること。

・インアクティブ(INACTIVE

 バナーのラウンドインジケーターが次のラウンドカラーと同じユニットは、インアクティブである。インアクティブなユニットはオーダーできない。

・モメンタム(MOMENTUM

 アドバンテージの決定において、同点の時に、モメンタムがある陣営の方にアドバンテージが行く。

・プレイエリア(PLAY AREA

 マップボードとプレーヤーの間のスペース

・再招集(RALLY

 インアクティブなユニットをアクティブにする行為。ユニットのバナーを回転させ、そのラウンドインジケーターが現在のラウンドカラーと一致するようにする。

・ランク(RANK

 ユニットのバナーで表される色のこと。

・タフさ(TOUGHNESS

 一回の戦闘において、指定された数のヒット数を無効化できるという、ユニットが本来持っている能力。

・ユニット(UNIT

 一定数のフィギュアからなる、一つのヘクスを占める戦闘単位。

ZOCZone of Control

 一人のコマンダーの周囲2ヘクス以内の範囲。

 

小競り合い(Skirmish)  −  オプションルール

 バトルプランによる戦闘の他に、プレーヤーは以下のルールを使うことで、ランダムに生成された戦闘(小競り合い- Skirmish)をプレイすることができる。小競り合いでは、プレーヤーはバトルプランではなく、カードを用いて、使用されるコマンダー、ユニットのタイプ、ユニットの数、地形などを決定する。

 

小競り合いのセットアップ

 BOWコアゲームには2枚のスカーミッシュサマリーカードが含まれており、”Raid in the Riverlands””Westerlands Bounty”の二種類のスカーミッシュをプレイすることができる。セットアップ時には、カードの”PLACEMENT”と書かれた面を参照する。

1.       スカーミッシュとハウスの選択
使用するスカーミッシュサマリーカードとプレイするハウスを決定する。

2.       バトルフィールドの構築
スカーミッシュサマリーカードにはPLACEMENTの右にボードインジケーターが記されている。これはマップボードの使用する面、縦置きか横置きかを示している。

3.       コマンダーの選択
両プレーヤーは自家のシンボルの付いたスカーミッシュセットアップカードのデッキを取る。何枚かのスカーミッシュセットアップカードは、上にコマンダーの絵が、Value rating(コマンダーの価値)と共に描かれている。コマンダー付きのカードと、それ以外のカードを分けて置く。スカーミッシュサマリーカードを参照して、プレーヤーはコマンダー付きスカーミッシュセットアップカードのValue ratingが制限内におさまるように、任意のコマンダーを選択する。使ったスカーミッシュセットアップカードは、ここで箱に戻すこと。
例)”Raid in the Riverlands”のサマリーカードでは、各プレーヤーはコマンダー2名以内で、Value rating4以内におさまるように、選択するよう指示されている。カードは、コマンダーのどのバージョンを使うかも(タイトルによって)指定しているので、注意すること。
コマンダーの選択は相手プレーヤーに秘密裏に行い、同時に公開する。選択したコマンダーのコマンダーカードをプレイエリアに置き、コマンダーユニットを通常通り作る(p10)。

4.       リーダーシップデッキの構築
通常ルールに従う。

5.       ラウンドトラックとラウンドマーカーの配置
通常ルールに従う。

6.       モラルトラックとモラルマーカーの配置
通常ルールに従う。

7.       各種トークンの山と、コマンドトークンの配置
通常ルールに従う。

8.       モメンタムトークンの決定
スカーミッシュサマリーカードの指示に従って、モメンタムトークンをどちらかのプレーヤーに渡す。

9.       ユニットの形成
残りのスカーミッシュセットアップカードを合わせてシャフルして、スカーミッシュサマリーカードのUnit ratingに等しい枚数のカードを引く。カード中央のユニットのセクションに書かれたユニットが、この小競り合いで使用するユニットである。ここで使ったセットアップカードは箱に戻す。

10.     残りのスカーミッシュセットアップカードをシャフルして、スカーミッシュサマリーカードのTerrain ratingに等しい枚数のカードを引く。カード下の地形のセクションに描かれた地形タイルが、この小競り合いで使用する地形である。ここで使ったセットアップカードは箱に戻す。(建物のタイルはどれも同じ機能を持つため、異なる建物の絵によって区別しなくてよい)

11.     地形タイルの配置
モメンタムトークンを持っているプレーヤーから交互に、サマリーカードの”terrain placement”を参照して、全ての地形タイルを配置する。”Raid in the Riverlands”カードでは、地形タイルは各プレーヤーとも、ボード一番手前から8ヘクス以内に配置するよう指定されている。

12.     コマンダーユニットの配置
モメンタムトークンを持っているプレーヤーから交互に、サマリーカードの”commander placement”を参照して、全てのコマンダーを配置する。”Raid in the Riverlands”カードでは、全てのコマンダーはボード一番手前から3ヘクス以内に配置し、各コマンダーのZOCが重ならないようにすることと指定されている。

13.     コマンダーを含まないユニットの配置
モメンタムトークンを持っているプレーヤーから交互に、サマリーカードの”unit placement”を参照して、残りの全てのユニットを配置する。”Raid in the Riverlands”カードでは、全てのユニットは、各プレーヤーとも、ボード一番手前から4ヘクス以内に配置するよう指定されている。これで、プレイの準備は完了した!

 

小競り合いのルール詳細

スカーミッシュサマリーカードを裏返すと、そこにOrder Rating, Command Rating, Leadership Rating, 勝利条件などが書かれている。このカードを両プレーヤーの間に置き、いつでも参照できるようにしておく。

FAQ

l   弓兵もコマンダーを捕獲できるのか
はい

l   追撃(Pursue)の時は、地形の影響を受けるのか
はい

l   弓兵は、側面攻撃をできるのか
いいえ

l   大狼使いは、DOGS OF WAR攻撃の後、戦闘後前進できるのか
いいえ

l   リーダーシップカードを使うとき、記載された数よりも少ないユニットにオーダーすることはできるのか
はい(X個までのユニット、という意味。最低1個。)

l   Outrider CommanderとしてのAddam Marbrand(地形の移動制限を全て無視できる)は、他のユニットがいるヘクスを通過することはできるのか
いいえ

l   Warrior of AshemarkとしてのAddam Marbrand(エンゲージしたら、通常攻撃の代わりに側面攻撃をすることができる)は、常に側面攻撃をすることができるのか
はい。しかし、もし目標ユニットがまだエンゲージメントトークンを持っていないならば、彼は目標をエンゲージしなくてはなりません。

l   The MountainとしてのGregor Clegane(攻撃ダイスを振った後で、黒の旗の目1個につきダイス1個を追加で振ることができる)が側面攻撃(出たダイスの目のうち、1種類のシンボルについて、振り直すことができる)をする場合、いつ側面攻撃の振り直しをするのか。
Gregor
の特殊能力を発動して黒の目についての追加ダイスを全て振り終わってからです。

l   火災トークンは荒廃トークンに置き換えられるのか
いいえ。火災トークンに加えて、荒廃トークンが置かれます。

l   森ヘクスに火災レベル2がある場合、更にそこに火災レベル2が追加されるとどうなるのか
レベル3になった時点で森に荒廃トークンが置かれ、そこは平地になります。その後、火災はレベル4になります。

l   追撃を行う場合、最初の1ヘクスは敵がいたところに入り、その後元の位置に戻って、追加攻撃をしてもよいのか
いいえ。元と同じ位置からは追加攻撃はできません。

l   Kevan Lannister(攻撃をする代わりに、Kevanのユニットは、隣接する自軍ユニットに、攻撃ダイス2個を追加させることができる)は、周りに攻撃する目標がいなくても、特殊能力を発動できるのか
はい。攻撃する能力さえあれば、発動させられます(アクティブであれば、という意味)。また、Kevanは敵にエンゲージされたら、この特殊能力を隣接自軍ユニットに対して発動させることができます。その結果としてエンゲージメントは解消されません。